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欧州委員会、豚肉の民間在庫補助実施を発表(EU)

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 欧州委員会は3月24日、豚肉を対象に民間在庫補助(PSA)を実施すると発表した。官報に掲載された実施規則によると、この数カ月にわたり豚肉部門は、中国への輸出減少、アフリカ豚熱の拡大、新型コロナウイルス感染症の長引く影響に加え、ロシアによるウクライナ侵攻によりEU域内の豚肉市場に混乱を招き、EUの豚肉輸出にも深刻な影響を与えたとして、市場の需給バランスの不均衡を是正するために、PSAを実施するとしている。
 申請期間は3月24日から4月29日まで、対象となる豚肉は生鮮および冷蔵豚肉である。
 最低申請数量は骨抜きで10トン、その他15トンで、その他対象となる豚肉の部位、保管期間、補助単価は下記の表のとおりとなっている。
表 補助の対象となる豚肉の部位および保管期間別の補助単価
 PSAの実施について欧州委員会は、欧州議会農業委員会からの要請も含め、EU農業理事会で加盟国から再三にわたって要請を受けていたが、いずれも拒否していた(注)。
 欧州家畜食肉貿易業者連合(UECBV)への聞き取りによると、生産者および流通関係者全てが今回の決定について驚かされたという。この決定の背景として同連合は、これまでの度重なる要請で圧力が高まっていたことに加え、今回のロシアによるウクライナへの侵攻によりウクライナ向け(2021年の豚肉輸出量は約4万トン、輸出先第10位、輸出割合1.5%)の豚肉輸出への影響が考慮されたとの見方を示し、今後の実施状況を注視したいとしている。
(注)海外情報「欧州委員会、豚に関する市場介入措置の要請を再度拒否(EU)」を参照されたい。

 なお、4月1日までの累計申請数量は1万4351トンであり、そのうち57%をモモ、カタ、ウデ、ロインの骨抜きが占めた。また、国別に見るとオランダ(34%)、スペイン(22%)、ドイツ(18%)、デンマーク(16%)、フランス(4%)、ベルギー(3%)、スウェーデン及びフィンランド(1%)の8カ国が申請しており、フランス、ベルギーを除く6カ国は、ベルギーなどが要請した欧州委員会による市場介入を支持しなかった国々である。豚枝肉卸売価格は2月以降急騰しており、保管期間は一番短い60日間の申請が7割(67%)を占めている。
【調査情報部 令和4年4月8日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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