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2021/22年度の砂糖生産量、輸出量は共に減少(ブラジル)

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最終更新日:2022年5月13日

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月20日、2021/22年度(4月〜翌3月)第4回サトウキビ生産状況等調査結果報告を公表した。同調査は、同年度のサトウキビ、砂糖およびバイオエタノールの生産予測を年4回公表するものであり、今回が当年度の実績見込の報告となる。
 これによると、サトウキビの収穫面積は832万ヘクタール(前年度比3.5%減)とやや減少した(図1)。北東部地域は89万ヘクタール(同0.3%減)と横ばいで推移したものの、主産地の中南部地域では、トウモロコシや大豆など収益性の高い作物への転作が行われたことにより、742万ヘクタール(同3.8%減)とやや減少した。
 サトウキビ生産量は、収穫面積の減少に加え、中南部地域を中心とした干ばつや寒波の影響により、5億8518万トン(同10.6%減)とかなりの程度減少し、1ヘクタール当たりの収量も70.4トン(同7.4%減)とかなりの程度減少した。また、サトウキビ生産量のうち44.5%(同1.3ポイント減)が砂糖生産に仕向けられた。内訳を見ると、北東部地域では天候に恵まれてサトウキビ生産量が増加したほか、砂糖の収益性がバイオエタノールよりも高かったことで、砂糖生産に仕向けられるサトウキビの量は前年度から5.3%増加した。しかし中南部地域では、サトウキビ生産量の減少とバイオエタノールの収益性の高さにより、砂糖生産に仕向けられるサトウキビの量は前年度から14.8%減少した。その結果、同国全体の砂糖生産量は3505万トン(同15.0%減)とかなり大きく減少した(図2)。
 一方、サトウキビ由来のバイオエタノール生産量は、2678万キロリットル(同10.0%減)とかなりの程度減少した(図3)。このうち、ガソリンに混合される無水エタノールは1060万キロリットル(同13.8%増)とかなり大きく増加したが、そのままフレックス車の燃料(注)として使用される含水エタノールは、製造所の減少などを受けて、1618万キロリットル(同20.8%減)と大幅に減少した。
 
(注)自動車の燃料として用いられるエタノールには、無水と含水の2種類がある。無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除きアルコール純度を100%としたもので、ガソリンに混合して、一般的な車両などに利用される。一方、含水エタノールは製造段階で蒸留した際に生じる水分を5%程度含むもので、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)で利用される。
 
 また、同国経済省によると、同年度の砂糖輸出量は2600万トン(同19.3%減)と過去最多を記録した前年度から大幅に減少した(図4)。この要因についてCONABは、砂糖の減産により、輸出余力が低下したためと分析している。
 
図1
図2
図3
図4
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532