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持続可能な牛肉のための米国円卓会議、持続可能に向けた目標を設定(米国)

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 持続可能な牛肉のための米国円卓会議(USRSB)は4月27日、同日に開催した会合の決議で、牛肉サプライチェーン全体の持続可能に向けた目標を設定した。

1 USRSBの概要

 USRSB(US Roundtable for Sustainable Beef)は、米国の肉用牛・牛肉業界が牛肉サプライチェーン全体の持続可能に向けた継続的な向上を推進、支援、伝達するために設立された団体である。事務局は全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)が務め、肉用牛生産者、子牛市場関係者、食肉処理・加工業者、小売・外食業者といったサプライチェーンの各セクターの他、大学などの学術研究機関や動物愛護・環境保護団体などの市民団体やNGOが会員となっている。2020年には肉用牛生産者向けのオンライン教育コンテンツを発信し、その後も各セクター向けに順次発信している。

2 目標の設定

 USRSBは19年に策定した2020-22年戦略プランに基づき、持続可能に向けた目標の6項目(温室効果ガス、土地資源、水資源、従業員の安全と福利厚生、家畜の健康と福祉、効率と歩留まり)それぞれの重点事項について、目標とセクター別目標を設定した。(表1)。
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 サプライチェーンの各セクターを通じた目標の設定は米国肉用牛・牛肉業界にとって初の試みであり、目標を決めた会合において、各セクターの関係者が目標達成に向けて意欲を見せた(表2)。

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 USRSBのウーテン議長は、「各セクターは米国産牛肉をより持続可能なものにするために長年取り組んできた。こうした努力を認めるだけでなく、サプライチェーン全体の関係者が連携して業界全体の持続可能性を確立するときが来た」と述べた。また、同目標設定委員会のプレイス委員長は、「各セクターの独自の活動も継続するための科学的根拠に基づくコンテンツを今後も追加していきたい」と述べた。

【調査情報部  令和4年5月18日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:調査情報部 国際調査グループ)
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