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2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第8回)を公表 (ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は5月12日、2021/22年度第8回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

第2期作トウモロコシは大幅な増産を見込むも、一部地域では降水量不足を懸念

 21/22年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回より101万4000トン下方修正されたものの、1億1458万8100トン(前年度比31.6%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。これは、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった19/20年度の記録を更新するものである。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作トウモロコシは、作付面積の68.7%(22年4月末時点)で収穫が行われた。生産量は、2467万5800トン(同0.2%減)で前年度並みが見込まれている。これは、作付面積が前年度より5.0%増加したものの、主産地であるリオグランデドスル州など南部地域で、21年11〜12月にかけて深刻な水不足となり単収が大幅に減少したためである。
 全体の4分の3強を占める第2期作は、ほとんどの地域で理想的な期間内に播種作業が行われた。21/22年度の生産量は、作付面積が前年度より8.6%増加するとともに主産地である南部や中西部地域などにおいて単収が大幅に改善することから、8769万2600トン(同44.4%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。しかしながら、中西部のゴイアス州や南東部のサンパウロ州などの地域では、4月の降水量が少なく作物に及ぼす影響が懸念されており、今後の降水状況が注目されている。
 また、2%程度を占める第3期作は播種が始まり、堅調な市場価格を背景として作付面積が前年より8.8%増加すると見込まれている。

大豆の収穫作業は作付面積の約9割で実施

 21/22年度の大豆生産量は、前回より139万8400トン上方修正され、1億2382万9500トン(前年度比10.4%減)となったが、前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。これは、作付面積が前年より4.4%増加したものの、南部各州および中西部のマットグロッソドスル州において、21年11〜12月にかけて深刻な水不足となり、単収が大幅に減少したためである。これらの地域では、22年1月以降の降雨があり、遅まき作物で収量の改善が見られたものの、単収の大幅な改善には至っていない。なお、収穫は作付面積の93.7%(22年4月末時点)で行われている。
 大豆需給動向を見ると、2021/22年度の輸出量は前回と変わらず7700万トン、加工量は搾油業者のマージンが良好であることから、前回より34万5500上方修正され4685万3000トンと見込まれている。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和4年5月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472