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米国農務省による世界のトウモロコシ需給予測(2022年6月)

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2022/23年度の世界のトウモロコシ、期末在庫は前年度並みの見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年6月10日、2022/23年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は11億8581万トン(前年度比2.5%減)と前月から509万トン上方修正されたものの、過去最高となった前年度をわずかに下回ると見込まれている。国別に見ると、ウクライナの生産量が政府の発表を踏まえて前月から550万トン上方修正され、これが反映される形となった。その他の主要国の生産量はいずれも前月から据え置かれた。
 輸出量は、世界全体で1億8267万トン(同7.1%減)と前月から3万トン下方修正され、前年度からかなりの程度減少が見込まれている。
 輸入量は、世界全体で1億7668万トン(同1.5%減)と前月から16万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。国別に見ると、EUは小麦価格高騰などの影響により前月から100万トン上方修正された一方で、モロッコ、ヨルダンおよびペルーなどが下方修正されたことで、これを吸収する形となった。
 消費量は、世界全体で11億8628万トン(同1.0%減)と前月から131万トン上方修正されたが、前年度からわずかな減少が見込まれている。国別に見ると、ウクライナが150万トン、EUが100万トンそれぞれ上方修正された。最大の消費国である中国は2億9500万トンと前月から据え置かれた。
 この結果、期末在庫は事前予想を上回る3億1045万トン(同0.2%減)と前月から532万トン上方修正され、前年度並みの水準が見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2022年6月10日米国農務省公表)

2022/23年度の米国トウモロコシ、在庫率は9%台の見込み

 USDA/WAOBは2022年6月10日、2022/23年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
 生産量は、144億6000万ブッシェル(3億6730万トン(注1)、前年度比4.3%減)と前月から据え置かれ、前年度からやや減少すると見込まれている。
 消費量は、121億7000万ブッシェル(3億913万トン、同2.2%減)と前月から500万ブッシェル(13万トン)上方修正されたが、前年度からわずかな減少が見込まれている。用途別では、食品、種子、その他工業向けがいずれも上方修正された。一方で、異性化糖向けは、グルコースとデキストロースおよびでん粉用向けの増加の影響を受けて減少が見込まれている。
 輸出量は、24億ブッシェル(6096万トン、同2.0%減)と前月から据え置かれ、前年度からわずかに減少すると見込まれている。
 この結果、期末在庫は、21/22年度の輸出量の下方修正を受けた22/23年度の期首在庫の上方修正により、14億ブッシェル(3555万トン、同5.7%減)と前月から4000万ブッシェル(102万トン)上方修正されたが、前年度をやや下回ると見込まれている。
また期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は9.6%(同0.4ポイント減)と、依然として10%を割り込んでいる。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり6.75米ドル(872円。1キログラム当たり34.3円:1米ドル=129.21円(注2))と前月から据え置かれたが、前年度からかなり大きく上昇し、12/13年度に記録した同6.89米ドル以来の高値が予測されている。
 
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年5月末TTS相場。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し (2022年5月12日米国農務省公表)
【針ヶ谷 敦子 令和4年6月20日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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