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畜産農家の経営に関する意識調査結果を発表(豪州)

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 肉牛の取引などを行う豪州最大の農業関連デジタル取引プラットフォームを運営するオークションプラス(AuctionPlus)は2022年7月、畜産農家の経営に関する意識調査結果を発表した。
 豪州の約200件の畜産農家を対象とした本調査結果では、インフレ圧力が続く豪州の経済状況を踏まえ、回答者の89%がインフレは畜産業に悪影響を及ぼすとしており、特に投入資材コストの上昇や収益の減少への影響が予想されるとしている(図1)。
図1 畜産農家におけるインフレの影響予想
 畜産経営における懸念事項でも、投入資材コストの上昇を挙げる回答者が最も多かったほか、熟練労働者の確保や気候変動対策が懸念事項であると回答した者が、21年調査時に比べて増加している(図2)。このうち、熟練労働者不足については、新型コロナウイルス感染症などの影響により近年特に顕在化している。
図2 畜産農家における懸念事項
 また、労働市場の動向が畜産業に与える影響については、従業員の賃金増や十分な人員確保ができないことによる生産性への影響、サプライチェーンへの混乱などを懸念する回答が多くなっている(図3)。
図3 労働市場が畜産業に与える影響
 他方で、気候変動対策については、回答者の77%が温室効果ガス排出削減の取組みに賛同し、自身の経営についても努力を行っているとしており、21年調査時よりも7ポイント上昇している(図4)。
図4 畜産農家における温室効果ガス排出抑制意思
 オークションプラスは本調査結果を踏まえ、多くの畜産農家の経営状況は良好であるものの、考慮すべき課題が複数存在するとしており、19年頃に発生した干ばつ後に得られた収益の多くは、昨今の投入資材コストの上昇などにより相殺される恐れがあるとしている。特に肉牛に関しては、23年に向けて肉牛価格が徐々に下落すると予想される中で、生産コストと労働力確保に関する課題が解決する可能性は極めて低いとしている。
 なお、本調査はインドネシアの口蹄疫発生による豪州畜産業界の緊張が高まる前に実施されたものであるため、現在(22年7月末)では口蹄疫の豪州国内侵入が畜産農家の最大の懸念事項になっているとしている。
【調査情報部 令和4年8月4日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530