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2022年食肉に関する消費者意識調査結果を発表(豪州)

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 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2022年9月、食肉(牛肉および羊肉)に対する消費者意識調査の結果を公表した。
 本調査は2010年から豪州大都市圏の一般消費者を対象に毎年実施されており、今年は1506人(18〜64歳)を対象に、6月にオンラインで実施された。
 これによると、1年前との比較で食肉消費量を増やしたと回答したのは全体の15%となっており、昨年調査時から6ポイント上昇している(図1)。この理由として、鉄分やたんぱく質の供給源として健康や栄養面を考慮したためとする回答が、食肉消費量を増やした者の75%を占めている。特に「豪州の食肉産業について一定の知識を有している」と回答した者については、26%が食肉消費量を増やしたとしており、全体の15%と比較して高い割合となっている。
 一方、1年前との比較で食肉消費量を減らしたと回答したのは全体の29%となっているが、この理由として最も多いのは、高価格であることで消費減少者の57%、次いで環境への懸念が同15%、動物福祉(アニマルウェルフェア)への懸念が同6%となっている。また、増加理由で鉄分やたんぱく質の供給源として、健康や栄養面を評価する回答が多い中で、減少理由として健康への懸念を挙げる者が同14%と一定数存在している。
図1 消費量の変化
 また回答者のうち、持続可能性が重要と回答した者は全体の91%を占めており、食肉における持続可能性に関する消費者の認知が進んでいることが分かった(図2)。
図2 持続可能性の重要性
 豪州食肉業界が2030年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出をゼロ)にするという目標「CN30」を掲げていることで、食肉業界に対してより前向きな評価をするとした回答者は増加傾向で推移しており、今回の調査では56%を占めた(図3)。
図3 好感度
 食肉産業に対する回答者の関心事としては、農家におけるアニマルウェルフェアが全体の46%、農家における環境への取組みが44%といずれも高い割合となっている(図4)。
図4 関心事項
 MLAではこれらの調査結果について、「Australian GoodMeat(豪州の良質な食肉)」と称したインターネットサイトおよび小冊子(写真)で公表するほか、教育機関などでも活用するとしている。また、影響力のあるインフルエンサーを起用したソーシャルメディアなどを通じてこれらの情報発信を行うことにより、消費者とのコミュニケーションやマーケティング活動を行っている。
写真:Australian Good Meatの小冊子 。「Green Facts」(環境およびアニマルウェルフェアに関する事実)と「Health Facts」(食肉における健康や栄養面に関する事実)が盛り込まれている。
写真:Australian Good Meatの小冊子 。「Green Facts」(環境およびアニマルウェルフェアに関する事実)と「Health Facts」(食肉における健康や栄養面に関する事実)が盛り込まれている。
【調査情報部 令和4年10月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530