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米国農務省による世界の大豆需給予測(2022年11月)

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米国の生産量は上方修正、世界期末在庫は引き続き1億トンを維持

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年11月9日、2022/23年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
 これによると、世界の生産量は3億9053万トン(前年度比9.8%増)と前月から46万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは、前月(300万トン上方修正)から据え置かれた。これに続く米国は、単収がわずかに上向くことで89万トン上方修正されたが、前月の下方修正分(178万トン)を埋めるには至らなかった。このほか、アルゼンチンは干ばつ傾向にあることで前月から150万トン下方修正され、中国は前月から据え置かれた。
 輸入量は、世界全体で1億6628万トン(同6.4%増)と前月から5万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は、前月(100万トン上方修正)から据え置かれた。
 消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2928万トン(同4.7%増)と前月から16万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は、前月(100万トン上方修正)から据え置かれた。
 輸出量は、世界全体で1億6914万トン(同9.8%増)と前月から30万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジル、これに続く米国はいずれも前月から据え置かれた。
 この結果、期末在庫は1億217万トン(同7.9%増)と前月から165万トン上方修正された。
 今回の予測について米国の穀物関係者からは、11月予測は例年、大きな動きがみられないとされる中で、特に今回は目新しいものがなかったとの声が出ている。一方で、大豆生産者からは、消費量が伸び悩む中での生産量の増加は、今後、高水準にある大豆価格の下落につながるとの懸念も示されている。
表 主要国の大豆需給見通し(2022年10月12日 米国農務省公表)
【横田 徹 令和4年11月17日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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