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2022年の全国穀物生産統計を発表(中国)

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 中国国家統計局は12月12日、2022年の全国穀物生産統計を発表した。これによると、22年の穀物全体の生産量は6億8653万トン(前年比0.5%増)と過去最高を記録した。近年の穀物生産量は着実に増加しており、8年連続で6億5000万トン以上を記録することになった。国家統計局は、22年は新型コロナウイルス感染症の影響に加え、高温・干ばつや豪雨などの天候の影響を受けつつも、政府の生産支援により増産を維持できたとしている。
 

作付面積は前年比0.6%増

 中国政府は2022年、トウモロコシ、大豆および米生産者への補助金や小麦、米の最低購入価格の引き上げを行うことで生産者の作付意欲を高めるとともに、生産目標を達成するため各地域での生産責任の強化を指示した。また、耕作放棄地の拡大を防ぐとともに、四川省など洪水被害のあった地域では補植を行い、作付面積の確保に努めたことで、全体の穀物作付面積は1億1833万ヘクタール(同0.6%増)と前年をわずかに上回った。品目別に見ると、大豆の作付面積は前年から大幅に増加した一方、小麦は前年並み、トウモロコシおよび米の作付面積はやや減少した。具体的には、大豆の作付面積は1027万ヘクタール(同21.7%増)、小麦は2352万ヘクタール(同0.2%減)、トウモロコシは4307万ヘクタール(同0.6%減)となった。21年は大豆の作付面積がかなり大きく減少したことから、22年は大豆の作付振興に注力していた。中でも大穀倉地帯の東北地域では大豆とトウモロコシとの合理的な輪作に取り組むとともに、黄淮海(こうわいかい)地域、西北地域、西南地域では大豆とトウモロコシの複合栽培が推し進められていた。

平均単収は前年比0.1%減

 2022年は長江流域での夏季の高温・干ばつや東北地域南部の洪水被害など一部で天候の影響はあったものの、全体としての作柄はおおむね良好であった。しかしながら、比較的単収の低い大豆の作付面積が増加した一方で、単収の高いトウモロコシの作付面積が減少したことにより、穀物全体の単収は1ヘクタール当たり5.8トン(前年比0.1%減)となった。品目別に見ると、トウモロコシは1ヘクタール当たり6.4トン(同2.3%増)、小麦は同5.9トン(同0.8%増)、大豆は同2.0トン(同1.6%増)となった。

生産量は前年比0.5%増

 2022年の穀物全体の生産量は6億8653万トン(前年比0.5%増)となった。国内31省(自治区、直轄市を含む)のうち、23省で生産量が増加した。21年に洪水被害を受けた河南省の穀物生産量は6789万トン(同3.7%増、245万トン増)とやや回復した。また、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区、山東省、山西省、吉林省ではいずれも前年の穀物生産量を40万トン以上上回った。
 品目別で見ると、単収と同様にトウモロコシ、小麦、大豆のいずれも前年を上回った。具体的には、トウモロコシは2億7720万トン(同1.7%増)、小麦は1億3772万トン(同0.6%増)、大豆は2029万トン(同23.7%増)となった。
 
表_2022年穀物生産動向
【海老沼 一出 令和4年12月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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