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2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第5回)を公表 (ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月8日、2022/23年度第5回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

トウモロコシ生産量、南部の干ばつなどで4回連続の下方修正も過去最高の見込み

 2022/23年度のトウモロコシ生産量は、前回より131万8600トン減少と4回続けて下方修正されたものの、1億2374万3800トン(前年度比9.4%増)と前年度をかなりの程度上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回とほとんど変わらず2646万1800トン(同5.7%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。これは、前年度、ラニーニャ現象の影響による深刻な雨不足で大きな被害を受けた南部での生産回復が見込まれるためである。ただし、全体の作付面積は、南東部、中西部および南部を中心に同3.3%減と前年度をやや下回った。地域別で見ると、主産地の一つである南部のリオグランデドスル州の生産量は、干ばつによる高温と極度の水不足による単収の大幅減により一部の地域では大きな損害が発生している。なお、南部地域では1月から収穫が始まり、作付面積の8.1%で収穫を終えている。
 また、全体の4分の3程度を占める第2期作は、前回より130万4200トン下方修正され、9496万7000トン(同10.6%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。主産地の一つである南部のパラナ州では、作付面積の減少により生産量が下方修正された。なお、中西部や南部の一部地域で1月から播種が始まり、作付面積の10.7%で作業が行われた。同じく2%程度を占める第3期作は、前回よりわずかに下方修正され、231万5000トン(同4.7%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。

大豆生産量、中西部の主産地の好天により上方修正で過去最高の見込み

 2022/23年度の大豆生産量は、前回より17万7100トン上方修正され、1億5288万9900トン(前年度比21.8%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、作付面積が前年度より4.4%増加することに加え、前年度、雨不足により大きな被害を受けた南部3州や中西部のマットグロッソドスル州での大幅な単収の回復が見込まれるためである。
 州別で見ると、主産地の一つである南部のリオグランデドスル州は1月、干ばつによる水不足が深刻となり、今回、生産量が124万5400トン減と前回に続き下方修正された。今後の天候次第では、被害がさらに拡大する可能性があるとされている。一方、最大の生産地である中西部のマットグロッソ州では、好天に恵まれ良好な生育状況となり、今回、生産量が136万9800トン上方修正された。しかしながら、最近数週間の大雨によrう収穫作業の遅れや作物の品質への影響が懸念されている。なお、マットグロッソ州などの一部地域で1月から収穫が始まり、作付面積の8.9%で収穫を終えたが、大雨の影響などにより前年同期(作付面積の17%で収穫)と比べて遅れている。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和5年2月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472