畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2023年 > 2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第10回)を公表 (ブラジル)

2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第10回)を公表 (ブラジル)

印刷ページ
 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は7月13日、2022/23年度第10回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

トウモロコシ生産量は中西部マットグロッソ州などで上方修正

 2022/23年度のトウモロコシ生産量は、前回より205万1700トン上方修正され、1億2776万7000トン(前年度比12.9%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回より27万4000トン上方修正され、2735万200トン(同9.3%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。これは、2年続けての干ばつで単収が減少した南部リオグランデドスル州を除くその他の州の生産がおおむね順調なためである。なお、収穫作業は作付面積の96.0%で終了している。
 また、全体の4分の3強を占める第2期作は、前回より173万3400トン上方修正され、9804万3000トン(同14.1%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。地域別に見ると、最大の生産州である中西部マットグロッソ州は、天候に恵まれ収穫作業が順調に進むとともに生産技術の向上により単収が高水準となることから、生産量が前回より174万6000トン上方修正された。一方、これに次ぐ南部パラナ州は、収穫が始まった6月に降雨があったものの、それ以前の数カ月間、乾燥気候となったことから単収が減少し、生産量が前回より39万トン下方修正された。なお、収穫作業は作付面積の28.9%で終了しているが、播種時期の遅れなどにより前年同期と比べて11ポイント程度遅れている。
 同じく全生産量の2%程度を占める第3期作は、237万3800トン(同7.3%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。肥料など生産コストの上昇により作付面積が前年度より減少したものの、生育状況は良好であり単収が前年度を上回ると見込まれている。

大豆生産量は下方修正も過去最大の見込み

 2022/23年度の大豆生産量は、前回より117万200トン下方修正されたものの、1億5456万6300トン(前年度比23.1%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、堅調な需要や南部リオグランデドスル州を除き天候に恵まれ、作付面積、単収とも前年度の実績を上回ったためである。ただし、2年続けて干ばつとなったリオグランデドスル州では、21/22年度より状況が回復したものの、作物の生育期間の大半が深刻な干ばつとなったことから、単収は当初予想より4割程度減少し、生産量が前回より149万4600トン下方修正された。なお、収穫作業はすべての地域で終了した。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和5年7月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472