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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2023年12月)

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世界の生産量は上方修正され、引き続き過去最大の生産見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2023年12月8日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億2207万トン(前年度比5.6%増)と前月から128万トン上方修正された。今期は米国の増産などにより過去最大の生産量が見込まれている。主要生産国である米国、ブラジル、中国はいずれも前月から据え置かれたが、ウクライナ、ロシア、EUなどの上方修正が反映された。
 輸入量は、世界全体で1億9153万トン(同11.3%増)と前月から166万トン上方修正された。地域別では、メキシコ(80万トン)や東南アジア(10万トン)などが前月から上方修正されている。
 消費量は、世界全体で12億695万トン(同3.4%増)と前月から192万トン上方修正された。地域別では、ロシア(70万トン)、メキシコ(30万トン)、EU(20万トン)などが前月から上方修正された。
 輸出量は、世界全体では2億146万トン(同11.3%増)と前月から184万トン上方修正された。ウクライナ(100万トン)、米国(63万トン)などが前月から上方修正された。
 この結果、期末在庫は3億1522万トン(同5.0%増)と前月から23万トン上方修正され、前年度からやや増加が見込まれている。
 現地報道によると、通常、12月公表の予測値には大きな変化がみられないとした上で、南米のトウモロコシ生産量が民間予測を上回っていることから、ブラジルで報じられている乾燥気候の影響を踏まえ、引き続き生産動向に注視が必要とされている。
表1 主要国のトウモロコシ需給見通し

米国の生産量は過去最大、輸出量も前年度から大幅増の見込み

 USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
 生産量は、152億3400万ブッシェル(3億8696万トン(注1)、前年度比11.1%増)と前月から据え置かれた。乾燥気候から当初は一部地域で単収の落ち込みが懸念されたものの、天候の好転や収穫面積の増加などから過去最大の生産量が見込まれている。
 消費量は、123億9000万ブッシェル(3億1472万トン、同2.3%増)と前月から据え置かれた。
 輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同26.4%増)と前月から上方修正され、前年度から大幅な増加が見込まれている。
 期末在庫は、輸出量の増加を受けて前月から2500万ブッシェル(635万トン)下方修正の21億3100万ブッシェル(5413万トン、同56.6%増)とされたが、引き続き前年度から大幅な増加が見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.7%(同4.8ポイント増)と前月から0.2ポイント下落しつつも、前年度を上回る水準が見込まれている。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.85米ドル(718円。1キログラム当たり28.3円:1米ドル=148.07円(注2)、同25.8%安)と前年度から大幅な下落が見込まれている。

(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年11月末TTS相場。
表2 米国のトウモロコシ需給見通し
【横田 徹 令和5年12月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9174