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米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2024年1月)

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世界の生産量は上方修正、引き続き過去最大の生産見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2024年1月12日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界の生産量は12億3573万トン(前年度比6.9%増)と前月から1366万トン上方修正された。今年度は米国や中国の増産により過去最大の生産量が見込まれている。このうち、最大の生産国である米国は、単収の上方修正により前月から272万トン上方修正された。現地報道によると、今回の上方修正は事前の市場予測を上回っているとの声が多く、米国内のトウモロコシ相場に一定の影響を及ぼすとされている。また、これに次ぐ中国も、豊作により前月から1184万トン上方修正された。これにより、高温と乾燥懸念により前月から200万トン下方修正されたブラジルの減少分を十分に補っている。今回、上方修正が行われた中国の生産量については、中国農業農村省が同日に公表したトウモロコシ生産量(予測)と一致している。
 輸入量は、世界全体で1億9076万トン(同10.8%増)と前月から77万トン下方修正された。このうち、EUは前月から100万トン下方修正された。
 消費量は、世界全体で12億1107万トン(同3.9%増)と前月から412万トン上方修正された。このうち、米国はエタノールや飼料向け需要の伸びが見込まれることで前月から191万トン上方修正された。
 輸出量は、世界全体で2億89万トン(同11.1%増)と前月から57万トン下方修正された。このうち、ブラジルは生産量の減少を受けて前月から100万トン下方修正された。
 この結果、期末在庫は3億2522万トン(同8.2%増)と前月から1000万トン上方修正され、前年度からかなりの程度の増加が見込まれている。
表1

米国の生産量、輸出量は大幅増も、生産者平均価格は下落の見込み

 USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
  生産量は、153億4200万ブッシェル(3億8970万トン(注1)、前年度比12.4%増)と前月から上方修正された。乾燥気候から当初は一部地域で単収の落ち込みが懸念されたものの、天候の好転による単収の増加などから過去最大の生産量が見込まれている 。
 消費量は、エタノールや飼料向け需要の伸びが見込まれることで124億6500万ブッシェル(3億1662万トン、同3.5%増)と前月から上方修正された。
 輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同26.4%増)と前月から据え置かれ、引き続き大幅な増加が見込まれている。
 期末在庫は、生産量の増加を受けて21億6200万ブッシェル(5492万トン、同59.0%増)と前月から上方修正され、引き続き大幅な増加が見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.8%(同4.9ポイント増)と前月から0.1ポイント上昇し、前年度を上回る水準が見込まれている。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.80米ドル(686円。1キログラム当たり27.0円:1米ドル=142.83円(注2)、同26.6%安)と大幅な下落が見込まれている。
表2
【横田 徹 令和6年1月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:09-3583-9174