2023／24年度主要穀物の生産状況等の調査結果（第5回）を公表 （ブラジル）

　ブラジル国家食糧供給公社（CONAB）は2月8日、2023/24年度第5回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した（表、図1〜2）。この調査は、春植えの夏期作物（大豆、第1期作トウモロコシなど）や秋植えの冬期作物（第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など）の生産予測を毎月公表するものである。

　2023／24年度のトウモロコシ生産量は、前回より390万7300トン下方修正され1億1369万6200トン（前年度比13.8％減）と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、飼料穀物価格の低迷を反映してトウモロコシから大豆などへ転作が進んだことや、エルニーニョ現象の影響により主産地で極端な天候不順となったためである。今回は、特に第2期作を中心に生産量が見直され4回連続での下方修正となった。
　全生産量の5分の1を占める第1期作の生産量は、前回より77万7800トン下方修正され2360万7000トン（同13.8％減）と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、エルニーニョ現象の影響により23年10〜11月に南部地域で大雨や日照不足、一方、中西部や南東部地域などで不規則な降雨、水不足および高温となり、播種作業の遅れや作物の初期生育に大きな影響を及ぼしたためである。播種作業は作付面積の95.3％、収穫作業は同13.8％（いずれも24年1月末現在）で終了している。
　また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、前回より313万6600トン下方修正され8809万8500トン（同13.9％減）と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、大豆の播種時期が遅れた結果、それに続く第2期作トウモロコシの理想的な生育期間が短縮することに加え、生産者が4月以降の雨不足を懸念し作付面積が減少するためである。播種作業は1月から始まり、作付面積の13.8％（24年1月末現在）で終了している。
　23／24年度のトウモロコシ輸出量は、生産量の減少や北米での豊作により国際市場でのブラジル産の流通量減少が予想されるが、今回はさらに300万トン下方修正され3200万トン（前年度比42.3％減）と前年度を大幅に下回ると見込まれている。

　2023／24年度の大豆生産量は、前回より586万5600トン下方修正され1億4940万3700トン（前年度比3.4％減）と前年度をやや下回ると見込まれている。生産量はこれまで3回連続で下方修正され、当初の予想（1億6200万3400トン）より7.8％（1259万9700トン）減少し、前年度割れとなった。これは、第1期作トウモロコシと同様にエルニーニョ現象の影響による極端な天候不順から、単収がさらに下方修正されたためである。州別に見ると、南部パラナ州では、23年10〜11月大雨、日照不足に続き、23年12月〜24年1月第3週の高温、乾燥気候により、さらに単収が下方修正された。また、中西部マットグロッソ州では、不規則な降雨や水不足、高温が生育に悪影響を及ぼし、23年12月〜翌年1月初旬の降雨で状況はやや回復したものの、生育段階のばらつきが大きくなっている。このため、収穫作業は4月以降にずれ込むことが予想され、さらに単収が下方修正された。収穫作業は2月初旬時点で作付面積の14％が終了している。
　23／24年度の大豆輸出量は、生産量の引き下げにより前回より429万トン下方修正され9416万3500トン（同7.6％減）と見込まれている。