2023/24年度のサトウキビ等の生産状況等の調査報告(第4回)を公表 (ブラジル)
最終更新日:2024年5月2日
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月18日、2023/24年度(4月〜翌3月)第4回目のサトウキビ生産状況等調査報告を公表した。本報告は、同年度のサトウキビ、砂糖およびエタノールの生産予測などを四半期ごとに公表するもので、今回が同年度の最終報告となる。
サトウキビ生産量は大幅に増加し、過去最大を記録
2023/24年度のサトウキビ収穫面積は、前回(23年11月)予測から18万ヘクタール下方修正されたものの、833万ヘクタール(前年度比0.5%増)とわずかに増加した(表1)。
単収は、多くの生産地で天候に恵まれたことや、サトウキビ生産向上のための投資効果などにより、前回予測から4.5トン上方修正の1ヘクタール当たり85.6トン(同16.2%増)と大幅に増加した。この結果、サトウキビ生産量は、前回予測から3561万トン上方修正の7億1321万トン(同16.8%増)と大幅に増加し、CONABの報告では過去最大の生産量となる。
サトウキビの歩留まり指標となるATR(注)は、前回予測から1.7キログラム上方修正され、平均で134.6キログラム(同0.8%増)とわずかに増加した。
(注)1トン当たりの平均回収糖分。ポルトガル語でAçúcar Total Recuperável(総回収可能糖量)の略。
砂糖とエタノールの生産量は、ともに増加
砂糖生産量は、前回予測から120万トン下方修正されたものの、4568万トン(同24.1%増)と大幅に増加した(表2)。このうち、同国最大の砂糖生産量を誇るサンパウロ州の生産量は、2826万トン(同25.7%増)と大幅に増加し、同国の砂糖生産量の61.9%を占めている。
また、サトウキビ生産量の上方修正に合わせて、エタノール生産量は前回予測から15億5908万リットル上方修正の356億972万リットル(同15.0%増)とかなり大きく増加した。内訳を見ると、サトウキビ由来のものは、前回予測から17億310万リットル上方修正の296億8954万リットル(同11.9%増)とかなり大きく増加した。一方、トウモロコシ由来のものは、前回予測から1億4403万リットル下方修正されたものの、59億2018万リットル(同33.1%増)と大幅に増加した。このうち99.5%がトウモロコシ生産量の約7割を占めるマットグロッソ州を中心とした中西部地域で生産される。
砂糖の輸出は好調の一方、エタノールの輸出は減少
2023/24年度(4月〜翌3月)の砂糖輸出量についてCONABは、ブラジル開発商工サービス省(MDIC)の公表データを引用し、インドやパキスタンなどの主要生産国の減産などを受けて3520万トン(前年度比26.8%増)と大幅に増加したと発表した。そのうち、砂糖の主な輸出先は中国、インド、インドネシア向けで、これら3カ国で同国の輸出量の27%を占めている。
一方、同期のエタノールの輸出量は、25億7000万リットル(同2.9%減)とわずかに減少した。主な輸出先は、韓国、米国、オランダ向けで、これら3カ国で同国の輸出量の62%を占めている。
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