2025/26年度のサトウキビ生産状況等調査報告(第1回)を公表(ブラジル)
最終更新日:2025年5月2日
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年4月29日、2025/26年度(4月〜翌3月)第1回目のサトウキビ生産状況等調査報告を公表した。本報告は、同年度のサトウキビ、砂糖およびエタノールの生産予測などを四半期ごとに公表するものである。
サトウキビ生産量、天候不順などによりわずかに減少
2025/26年度のサトウキビ収穫面積は、879万ヘクタール(前年度比0.3%増)と前年度並みが見込まれている(表1)。また、単収は、天候や病害の影響などから1ヘクタール当たり75.5トン(同2.3%減)とわずかな減少が見込まれている。
この結果、サトウキビ生産量は6億6344万トン(同2.0%減)とわずかな減少が見込まれている。このうち、同国最大のサトウキビ生産量を誇るサンパウロ州では、天候不順や火災、病害の影響により3億3291万トン(同5.8%減)とやや減少するものの、国内サトウキビ生産量の50.2%を占めると見込まれている。同州での収穫は4月より開始されているが、圧搾を開始した工場は少数にとどまっており、これは24年の天候不順や火災の影響によってサトウキビの生育が遅延していることに起因している。同年の火災では約45万ヘクタールの圃場が被害を受け、このうち20万ヘクタールは成長初期の段階にあったとされる。
サトウキビの歩留まり指標となるATR(注)は、サトウキビ1トン当たり139.2キログラム(同1.4%増)とわずかな増加が見込まれている。
(注)1トン当たりの平均回収糖分。ポルトガル語でAçúcar Total Recuperável(総回収可能糖量)の略。
砂糖生産量はやや増加、エタノール生産量はわずかに減少
砂糖生産量は、4588万トン(前年度比4.0%増)とやや増加が見込まれている(表2)。このうち、同国最大の砂糖生産量を誇るサンパウロ州では、2634万トン(同1.2%増)とわずかに増加し、国内砂糖生産量の57.4%を占めると見込まれている。サトウキビ生産量は減少するものの、砂糖生産量は多くの州で前年度を上回ると見込まれる。この結果、2025/26年度はCONABが報告を開始して以降、過去最大の砂糖生産量が見込まれており、国際市場でのブラジル産砂糖に対する堅調な需要を反映している。
また、エタノール生産量は368億1528万リットル(同1.0%減)とわずかな減少が見込まれている。内訳を見ると、サトウキビ由来は281億1124万リットル(同4.2%減)とやや減少が見込まれている。一方、トウモロコシ由来は87億403万リットル(同11.0%増)とかなり大きく増加が見込まれている。このうち、99.6%がトウモロコシ生産量の約7割を占めるマットグロッソ州を中心とした中西部地域で生産される。サトウキビの砂糖生産仕向け量の増加により、サトウキビ由来のエタノールの生産量は減少し、この一部をトウモロコシ由来の増産で補っている。
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