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フォンテラ社、24/25年度乳価の据え置きと、25/26年度当初乳価を発表(NZ)

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 ニュージーランド(NZ)乳業最大手のフォンテラ社は2025年5月29日、2024/25年度(6月〜翌5月)の生産者支払乳価を前回公表(同年3月20日)から据え置き、生乳の固形分(注1)1キログラム当たり平均10.0NZドル(880円、1NZ=87.96円(注2))にすると発表した。同年度の生産者支払乳価について同社は、これまで7回にわたり期中見直しを行っており、前回公表に続き3回連続の据え置きとなった(図)。
 また、同社は同日、25/26年度の当初乳価を生乳の固形分1キログラム当たり10.0NZドル(880円)にすると発表した。これについて同社のハレル最高経営責任者は、「安定した乳製品需要が見込まれているが、世界市場の不確実性などのリスクがあることを認識しており、25/26年度の当初乳価は同8.00〜11.00NZドル(704〜968円)の幅広い予測範囲内から設定している」とコメントした。これにより同社の当初乳価は、過去にない高い水準でのスタートとなっている。

(注1)乳脂肪分および乳たんぱく質。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年5月末TTS相場。
表
 さらに同社は、24/25年会計年度(8月〜翌7月)第3四半期(2月〜4月)までの業績を公表し、継続事業の税引き後利益が11億5800万NZドル(1018億5768万円、前年同期比14.3%増)となったことを明らかにした(表)。これについて同社は、外食部門や消費者部門の販売実績が好調であったとしている。これにより、1株当たりの配当金(注3)をこれまでに公表している0.55〜0.75NZドル(48〜66円)から0.65〜0.75NZドル(57〜66円)へと修正し、24/25年度の配当金は好調との見込みを示した。

(注3)通常、フォンテラ社へ生乳を出荷する生産者は、生乳出荷実績に応じてフォンテラ社の株式を取得する(生乳の固形分3キログラムに対して最低1株)。このため、最終的に生産者に支払われる金額は、生産者支払乳価と配当金を合わせた金額となる。
 
表
 また、同社は、24/25年度4月までの累計生乳集乳量について、良好な気象が牧草の生育に寄与したことで、143万2000トン(同2.3%増)とわずかに増加したと発表した。また、年度全体でも151万トン(前年度比2.7%増)とわずかな増加を見込んでいる。
【田中 美宇 令和7年6月6日発】
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