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2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第10回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年7月10日、2024/25年度第10回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

24/25年度トウモロコシ生産量はさらに上方修正、前年度比14.3%増と過去最大の見込み

 2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回(2025年6月)より372万1000トン上方修正の1億3197万3700トン(前年度比14.3%増)と、前年度をかなり大きく上回ると見込まれている(表1、図1〜2)。これは作付面積(同2.4%増)と単収(同11.6%増)がいずれも前年度を上回ると見込まれることによる。今回の上方修正により、CONABが統計を取り始めて以来、生産量が最大となった22/23年度を超える見込みとなった。
 内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は前回より9万7800トン上方修正の2491万9600トン(同8.5%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。第1期作は7月初旬時点で作付面積全体の97.2%で収穫を終えた。主要な生産地域の大部分で降雨量が少なかったため収穫作業は円滑に進んだが、リオグランデ・ド・スル州は雨の影響で作業が停滞していた。
 また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は前回より352万8700トン上方修正の1億453万8200トン(同16.1%増)と、前年度を大幅に上回ると見込まれている。第2期作は7月初旬時点で作付面積全体の27.7%で収穫を終えた。同時点における過去数年の平均収穫率は39.5%であるが、今期は6月の降雨量が多かったことと気温の低下により、トウモロコシの自然乾燥が遅れたため、これを大幅に下回った。
 24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたことにより、輸出量が前回より200万トン上方修正の3600万トン(前年度比6.5%減)となったものの、前年度をかなりの程度下回ると見込まれている(表2)。

24/25年度大豆生産量は下方修正も、前年度比14.7%増と過去最大の見込み

 2024/25年度の大豆生産量は、前回より11万7900トン下方修正の1億6948万7900トン(前年度比14.7%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来最大となった22/23年度の生産量を超えると見込まれている(表1、図1〜2)。これは作付面積(同3.2%増)と単収(同11.2%増)がいずれも前年度を上回ると見込まれることによる。
 ブラジル国内の収穫は6月で終了した。今期の収穫は、ほぼ全ての地域で天候に恵まれたため、当初の予想を上回る収量を記録した。一方で、マットグロッソ・ド・スル州およびリオグランデ・ド・スル州は天候不順により収量や品質に影響が出ている。
 24/25年度の大豆需給を見ると、生産量の下方修正から輸出量も前回より2万6100トン下方修正の1億621万6300トン(同7.5%増)と見込まれている(表3)。
表1 2024/25年度の主要穀物等の生産予測
図1 トウモロコシと大豆の生産量の推移
図2 2024/25年度の生産予測の推移
表2 ブラジルのトウモロコシ需給動向
表3 ブラジルの大豆需給動向
【原田 祥太 令和7年7月30日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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