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2025年の加工用トマト、前年から3.7%の減産見込み(EU)

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最終更新日:2025年8月6日

 欧州委員会は2025年7月28日、農畜産物の短期的需給見通し(注)を公表した。このうち、日本のトマト加工品の主要輸入先であるEUのトマト需給について、その概要を紹介する。なお、本稿で記載する数量はすべて生鮮換算数量である。
(注)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年2回、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

トマトの生産動向

 2025年のトマト生産量は、過去5年平均を下回り、前年比2.6%減の1642万3000トンと前年からわずかな減少が見込まれる(図)。内訳を見ると、生鮮向けは同0.5%減の565万トンとほぼ横ばいとなった。一方、加工向けは、主要生産国のスペインおよびポルトガルでの生産コスト上昇や生産者価格低迷などの影響から、同3.7%減の1077万3000トンと減産が見込まれる。
図

2025年の加工用トマト需給動向

 2025年の加工用トマトの消費量および輸出量は、前述した減産と後述する輸入減による供給量の減少からそれぞれ、前年比7.0%減の924万3000トン、同5.4%減の384万6000トンと見込まれる(表1)。輸入量は同17.6%減の231万6000トンと大幅な減少が見込まれる。これは、24年までは中国からの輸入量が増加傾向にあったが、25年は同国の減産による輸出減が見込まれることなどを反映したものとみられる。
表1

2025年の生鮮トマトの需給動向

 2025年の生鮮トマト消費量は、前年比0.4%減の611万3000トンと、横ばいでの推移が見込まれる(表2)。特にチェリートマトの需要は、食味の改良や色の種類の増加などが消費者に受け入れられており、堅調に推移すると見込まれる。輸出量は英国向けの増加などから、同2.4%増の38万4000トンと見込まれる。輸入量は、シェア(占有率)約7割を占めるモロッコからの輸入が堅調に推移し、同1.4%増の84万7000トンと見込まれる。モロッコからの輸入に関しては、チェリートマトなどの高付加価値製品も増加傾向にある。
 
表2
【調査情報部 令和7年8月6日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527