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2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第11回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年8月14日、2024/25年度第11回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

24/25年度トウモロコシ生産量は引き続き上方修正、前年度比18.6%増と過去最大の見込み

 2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回(2025年7月)より503万1400トン上方修正の1億3700万5100トン(前年度比18.6%増)と、前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来最大と見込まれている(表1、図1〜2)。これは、作付面積(同3.0%増)と単収(同15.2%増)がいずれも前年度を上回るとの見通しによるものである。
 内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、前回より1万6200トン上方修正の2493万5800トン(同8.6%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。第1期作の収穫は、8月中旬時点でマラニョン州の一部地域でわずかに残っているものの、実質的にはすべて終了した。なお、同州とパラー州は播種および収穫の時期が他の州と比較して遅いという特徴がある。
 また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、前回より502万9000トン上方修正の1億956万7200トン(同21.7%増)と、前年度を大幅に上回ると見込まれている。第2期作は、8月中旬時点で作付面積全体の83.7%で収穫を終え、同時点における過去数年の平均収穫率84.3%とほぼ同様の進捗状況となった。前回の予測では、天候不順の影響により過去数年の平均収穫率を大幅に下回っていたが、その遅れを概ね取り戻した。
 24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたことにより、輸出量も前回より400万トン上方修正の4000万トン(同3.9%増)と、前年度をやや上回ると見込まれている。前回までの予測では、前年度割れが見込まれていたが、2カ月連続の上方修正により、前年度越えの見込みに転じた(表2)。

24/25年度大豆生産量は上方修正、前年度比14.8%増と過去最大の見込み

 2024/25年度の大豆生産量は、前回より16万9100トン上方修正の1億6965万7000トン(前年度比14.8%増)と、前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来最大と見込まれている(表1、図1〜2)。これは、作付面積(同3.2%増)と単収(同11.3%増)がいずれも前年度を上回るとの見通しによるものである。収穫は6月で終了しているため、最終数値は微調整のうえ、次回の24/25年度最終調査結果で公表される予定である。
 24/25年度の大豆需給を見ると、生産量が上方修正されたことにより、輸出量も前回より3万7300トン上方修正の1億625万3600トン(同7.5%増)と見込まれている(表3)。
表1 2024/25年度の主要穀物等の生産予測
図1 トウモロコシと大豆の生産量の推移
図2 2024/25年度の生産予測の推移
表2 ブラジルのトウモロコシ需給動向
表3 ブラジルの大豆需給動向
【原田 祥太 令和7年8月22日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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