畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2025年 > 米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2025年9月)

米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2025年9月)

印刷ページ

25/26年度は生産量の下方修正から期末在庫は下方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年9月12日、2025/26年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2025年9月12日米国農務省公表)
 これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億8658万トン(前年度比4.7%増)と前月から200万トン下方修正された。主要生産国ではEUの下方修正が米国の上方修正を上回った。
 輸入量は、世界全体で1億9320万トン(同5.6%増)と前月から104万トン上方修正された。EUの輸入量が2300万トンと前月から100万トン上方修正されたことなどが反映された。
 消費量は、世界全体で12億8936万トン(同2.3%増)と前月から21万トン上方修正され、引き続き高水準を維持している。主要生産国ではブラジルおよびウクライナの上方修正が反映された。
 輸出量は、世界全体で2億171万トン(同4.1%増)と前月から85万トン上方修正された。主要生産国では米国の上方修正がEUの下方修正を上回った。
 この結果、期末在庫は、生産量の下方修正が反映され、2億8140万トン(同1.0%減)と前月から114万トン下方修正された。

米国は生産量の増加などから期末在庫は大幅に増加

 USDA/WAOBは同日、2025/26年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表2)。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し(2025年9月12日米国農務省公表)
 米国内生産量は、収穫面積が上方修正により1933年以来の最高値となったことで、168億1400万ブッシェル(4億2709万トン(注1)、前年度比13.1%増)と前年度からかなり大きく増加し、過去最大の生産量が見込まれている。
 米国内消費量は、130億8000万ブッシェル(3億3225万トン、同4.7%増)と前年度からやや増加が見込まれている。
 輸出量は、29億7500万ブッシェル(7557万トン、同5.1%増)と前年度からやや増加が見込まれている。
 期末在庫は、21億1000万ブッシェル(5360万トン、同59.2%増)と前年度から大幅な増加が見込まれている。
 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、13.1%(同4.5ポイント増)と、前年度を上回ると見込まれている。
 生産者平均販売価格は、前月に続き1ブッシェル当たり3.90米ドル(577円。1キログラム当たり23円:1米ドル=147.92円(注2)、同9.3%安)と前年度からかなりの程度下落が見込まれている。

(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年8月末TTS相場。
【岡田 真希奈 令和7年9月18日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396