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米国農務省による世界の大豆需給予測(2025年11月)

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米国の大豆生産量の下方修正から期末在庫は下方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年11月14日、10月1日以降閉鎖されていた米国政府機関の業務再開に伴い、2カ月ぶりに2025/26年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
表 主要国の大豆需給見通し(2025年11月14日米国農務省公表)
 これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2175万トン(前年度比1.3%減)と9月から412万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは9月から据え置かれたが、これに次ぐ米国は単収減少を受けて9月から130万トン下方修正された。この他に、ウクライナとインドの下方修正も報告されている。
 輸入量は、世界全体で1億8641万トン(同4.1%増)と9月から20万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は1億1200万トン(前年度比3.7%増)と9月から据え置かれた。
 消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億6498万トン(同2.0%増)と9月から165万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は1億800万トン(同4.9%増)と同様に据え置かれた。
 輸出量は、世界全体で1億8797万トン(同1.6%増)と9月から19万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは9月から50万トン上方修正された一方、これに次ぐ米国は生産量減少が見込まれる中、バイオ燃料向け大豆油の需要増加などに伴い、9月から136万トン下方修正された。
 期末在庫は、生産量の下方修正などを反映して1億2199万トン(同1.1%減)と9月から200万トン下方修正された。
 今回の予測値に関して、大豆の国際相場に影響を与える中国の輸入量に目を向けると、11月12日付で中国農業農村部が公表した25/26年度の中国の大豆輸入量9580万トンとUSDAの予測値には、引き続き1620万トンの乖離がある。米国政府は11月1日、韓国でトランプ大統領が中国の習近平国家主席と貿易・経済協定を結んだことを発表した。この中で、中国は25年後半の2カ月間で少なくとも1200万トンの米国産大豆を購入し、26〜28年にもそれぞれ少なくとも2500万トンを購入するとしている。これにより、乖離の幅がどの程度縮小されるのかが注目されている。
【横田 徹 令和7年11月21日発】
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