25年7〜9月期の穀物肥育牛肉輸出量、過去最高を記録(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2025年11月27日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養動向調査の結果(25年7〜9月期)を公表した。
これによると、同年9月末の飼養頭数は、151万8289頭(前年同期比6.6%増、前回比3.9%減)となった(表)。また、収容可能頭数は174万9170頭(同6.4%増、2.5%増)と前回に引き続き170万頭を上回った。収容可能頭数が増加する中で、堅調な牛肉需要からフィードロットの稼働率は86.8%と高水準を維持している(図1)。
25年第3四半期(7〜9月)の穀物肥育牛と畜頭数は、堅調な輸出需要を背景に96万2436頭(同11.9%増、同7.6%増)となった(図2)。
MLAによると、今期の穀物肥育牛肉輸出先は17年以来最も多い53カ国となり、世界的な牛肉需要が主要輸出市場すべてで著しい 増加を牽引したとされている。このうち、25年第3四半期の同輸出量は12万1157トン(同20.0%増、同7.3%増)と過去最高を記録し、牧草肥育牛肉を含めた牛肉輸出量全体の29%を占めた(図3)。輸出先別に見ると、中国向けは4万625トン(前年同期比1.6倍増)と穀物肥育牛肉輸出量全体の33.5%を占め、当該四半期で最大の輸出先となった。
今回の結果を受けてALFAは、「収容可能頭数の継続的な拡大は、このセクターへの強い信頼を反映している」とし、「投入コストの上昇や市場価格の変動などの課題がある中で、生産者はインフラや技術に投資し、高品質の牛肉を供給できる体制を確保していることから、長期的に持続可能な豪州牛肉のサプライチェーンを支えている」とコメントした。またMLAは、この輸出実績は豪州産穀物肥育牛肉に対する世界的な需要の高さを裏付けるものだ」とし、「中国が主要な牽引役であり続ける一方で、日本、韓国、新興市場での成長が同様に重要であり、この多様化は産業の長期的な回復力にとって極めて重要」とコメントした。
【田中 美宇 令和7年12月10日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532