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豪州食肉家畜生産者事業団が25年の市場動向トップ10を発表(豪州)

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 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2025年12月9日、25年の市場動向トップ10を公表した。
 これによると、25年は牛肉、羊肉、山羊肉の各分野で過去最高の生産、高価格、強い世界需要を示している(表)。MLAの分析によると、豪州は同年に279万トン(枝肉重量ベース)と過去最高の牛肉生産量を達成する見込みであり、これは遺伝学や飼料システム、農場での長期的な生産効率の向上が寄与しているとされている。
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 MLAの市場情報アナリストは、「平均枝肉重量の増加と生産性の向上により、豪州は貿易環境や気候変動が続く中でも、高品質な牛肉を過去最高の量で世界市場に供給できている」と、牛肉生産量増加の要因を分析している。また、輸出に関して「世界的な牛肉供給量の不足、特に米国での不足が、たんぱく質貿易の流れを変化させている。豪州はこの環境を最大限に活用できる立場にあり、日本や韓国といった主要市場への強固なアクセスに加え、羊肉・山羊肉需要の拡大も追い風になっている」とコメントしている。さらに、気候変動に関しては、依然として肉牛生産に重要な影響を与えており、豪州北部の降雨に恵まれた天候が牛群の再構築を促す一方、南部地域の干ばつは牛肉供給量の増加と価格動向に影響を与え続けているとしている。今後の見通しとして同アナリストは、「生産者は季節変動の激しい状況にも驚くほど適応力を示しており、その柔軟性とサプライチェーン全体にわたる継続的な投資が組み合わさることで、将来の競争力を維持する鍵となる」とコメントしている。
【田中 美宇 令和7年12月12日発】
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