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米国食肉業界が年次会合を開催し、消費者調査の結果などについて発表(米国)

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 米国食肉協会(AMI)および食品産業協会(FMI)は3月2〜4日、メリーランド州において共同で、食肉に関する年次会合(AMC:Annual Meat Conference)を開催した。
AMCは、米国の食肉・小売業界の経営層が一堂に会する会合であり、市場動向、消費者インサイト、業界課題や成長機会についての基調講演やセミナーに加え、食肉メーカーと小売業者のネットワーキングや商談の場としても重要な役割を果たしている
 セミナーの一つでは、消費者の購買行動に係る調査レポート「The Power of Meat2026」について説明があった。また、基調講演のゲストスピーカーとして米国福祉保健省(HHS)のケネディ長官が登壇するとともに、食肉に特化した展示会も開催された。
 これらの概要について紹介する。
 

1.「The Power of Meat 2026」の要約

 2025年、米国の食肉部門は売上高1120億ドル(18兆76億円:1米ドル=161.39円(注1))と過去最高を記録した。売上高で前年比6.8%増、販売数量で2.0%増となった。食肉部門は生鮮食品売場の中で最大かつ最も成長率の高い部門となり、中でも牛肉がこの伸びに大きく寄与した。
 家計が圧迫され、消費者は「どこで・何を・どれだけ買うか」を調整している中でも、食肉部門の優先度は依然として高い。インフレが継続する中で家計消費において日常的な購入では価格が重視される一方で、特別な機会ではよりぜいたくな商品が消費される傾向が強まっており、低価格帯の商品とぜいたく品が併存する二極化市場が形成されている。
 日常的な消費では価格が重視されると言っても、最終的に決め手になっている要素は品質である。特に、若い買い物客は、自分の価値観に合ったブランドや特性に追加の支出を惜しまない。どのような食事を摂るかは、価格だけでなくデジタルによる情報源の影響が拡大しており、SNSや検索エンジン、AIが、部位の選択や調理方法のヒントとして活用されている。
 品質を維持しつつ、簡便化や時短を求める消費者ニーズが高まる中、調理時間を短縮できる加熱済み、簡便調理、付加価値型商品の需要が拡大している。また、消費者が価値と効率性を求めるにつれ、食肉の購入は量販店、会員制倉庫型店舗、オンラインへと移行している。スーパーマーケットは依然として、食肉の購入場所として主軸であるものの、複数の業態を利用した購入が一般的となっており、店舗を設ける利点である対面による信頼構築、調理用にカットされた商品などによる差別化が重要となるだろう。
 引き続き健康への関心は高く、たんぱく質摂取を目的とした食肉の消費は、消費者の購買意欲を高める大きな要因となっている。42%の米国人は、たんぱく質はますます重要視される分野であると回答している。
 また、家畜の飼育方法や産地の透明性への関心も高く、有機や牧草肥育による商品市場は大きく成長した。それだけでなく、半数以上の消費者が、環境に配慮した食品・包装を選びたいと考えている。
 食肉部門における消費の世代交代が急速に進行し、販売数量の伸びの67%をZ世代とミレニアル世代が占めた(注3)。この世代は、健康効果、利便性および持続可能性などを重要視し、食の選択をデジタルからの情報に強く依存することから、これらの変化に対応するため、販売促進の戦略や取り組みの再構築が求められる。

(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年4月末TTS相場。
(注2)「The Power of Meat2026」の概要版はFMIのウェブサイトに公表されている。(全文を閲覧するためには購入する必要がある)
(注3)本アンケート調査は18歳から75歳までの1657人の食品購入者を対象に実施。18〜26歳を「Z世代」、27〜42歳を「ミレニアル世代」、43〜58歳を「X世代」、59〜75歳を「ベビーブーマー世代」とする。

2.その他のセッション、展示会など

 AMCにおいては、3日間の期間の中で基調講演や分科会などが数多く行われた。
 HHSのケネディ長官による基調講演においては、米国における糖尿病をはじめとする慢性疾患の増加に焦点が当てられ、新たに発表された「米国人のための食生活指針」(注4)において、より多くのたんぱく質、牛乳・乳製品、青果物、全粒穀物や全粒粉を使用した製品の摂取を推奨していることなどの紹介があった。また、連邦政府が運営する学校給食や軍・退役軍人の食事に関するプログラムにおいても変更を加えていくとし、HHSが所管する関係機関による研究開発に関して連携を図っていくことを発表した。
 食肉関連の展示会では、米国内の大手食肉・加工品事業者のほか、各国政府系組織によるブース出展が行われた。日本産和牛のPRについては、2年連続でブースが設置され、試食提供、出展事業者と参加企業による商談などが行われた。

(注4)詳細については、海外情報「米国人のための食生活指針が改訂、食肉関係団体は賞賛(米国)」(令和8年1月22日発)をご参照ください。

AMCにおける基調講演の様子。米国福祉保健省(HHS)のケネディ長官が登壇(左側)。Power of Meatの2026年版も紹介(右側)。 資料:米国食肉協会(MI)、食品産業協会(FMI)
AMCにおける基調講演の様子。米国福祉保健省(HHS)のケネディ長官が登壇(左側)。Power of Meatの2026年版も紹介(右側)。 資料:米国食肉協会(MI)、食品産業協会(FMI)
AMCでの食肉・食肉加工品関連の展示会の様子(全米および世界各国から150を超える企業・団体がブースを出展)。 資料:MI、FMI
AMCでの食肉・食肉加工品関連の展示会の様子(全米および世界各国から150を超える企業・団体がブースを出展)。 資料:MI、FMI
【調査情報部 令和8年5月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532