中国農業展望報告(2026−2035)を発表(牛乳・乳製品編)(中国)
中国農業農村部は2026年4月20日、今後10年間の農畜産業を展望する「中国農業展望報告(2026−2035)」を発表した。今回は25年の総括と35年までの農畜水産物の生産量や消費量の見通しが報告された。
本稿では同報告のうち、牛乳・乳製品について紹介する。
1.2025年の牛乳・乳製品需給動向
2025年の生乳等生産量(注1)は4168万トン(前年比0.1%増)、そのうち生乳生産量は、4091万トン(同0.3%増)といずれも前年並みに推移した(表)。乳用牛1頭当たりの年間平均乳量は、優良品種の導入や飼養管理技術の向上などから、10500キログラム(同6.1%増)とかなりの程度増加した。
(注1)牛由来の生乳のほか、ヤギやヤクなど由来の乳を含む生産量。
輸入量は、製菓・製パン、外食などを中心にバターやチーズなどの需要が増加したことから、1668万トン(同5.1%増、生乳等換算数量、以下同じ)とやや増加した。
消費量は、健康志向の高まりにより低温殺菌乳(注2)やヨーグルトの需要が伸び、1人当たり消費量は36.6キログラム(同1.9%増)、総消費量は5805万トン(同2.0%増)といずれもわずかに増加した。
生乳価格は、生乳生産量が増加する一方で、飲用乳(常温保存牛乳)の需要低迷から、年間平均価格は1キログラム当たり3.06元(73円(注3)、同7.8%安)とかなりの程度下落しており、年間を通して低水準で推移している。
(注2)中国の低温殺菌乳は60〜90度で殺菌されており、日本の低温殺菌乳(63〜65度殺菌)とは定義が異なる。
(注3)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均為替相場」の26年5月末日TTS相場である1元=23.82円を使用した。
2.2026年の牛乳・乳製品需給動向予測
2026年の生乳等生産量は、継続的な経営悪化の影響により乳用牛飼養頭数が減少している一方で、優良品種の導入や飼養管理技術の向上などから1頭当たり生乳生産量が増加し、4220万トン(前年比1.2%増)とわずかな増加が見込まれている。
輸入量は、国内の生産能力の向上により輸入依存度の高い脱脂粉乳などが国産へ切り替えられることなどから、1600万トン(同4.1%減)とやや減少すると見込まれている。
消費量は、継続した健康志向の向上などにより、1人当たり消費量が36.9キログラム(同0.8%増)、総消費量は5840万トン(同0.6%増)といずれもわずかな増加が見込まれている。
生乳価格は、国産乳製品の高品質化で需要が緩やかに増加するとみられており、1キログラム当たり3〜3.15元(71〜75円)の間で推移すると見込まれている。
3.2035年までの牛乳・乳製品需給動向予測
生乳等生産量は、飼養管理技術の向上により乳用牛1頭当たり乳量が増加することなどから、2035年には5117万トン(基準期間比<23〜25年の平均値からの増減率>21.6%増)と大幅な増加が見込まれている。
輸入量は、国内の外食産業やベーカリー業界が引き続き発展し、チーズやクリームなどの高品質な輸入乳製品の需要が継続的に増加することなどから、35年には1937万トン(同16.9%増)と大幅な増加が見込まれている。
消費量は、製菓・製パン、ミルクティーなどのドリンクショップの発展で乳製品の消費シーンがさらに拡大されることから、35年には1人当たり消費量が43.6キログラム(同19.7%増(注4))、総消費量は6764万トン(同17.0%増)といずれも大幅な増加が見込まれている。
生乳価格は、乳製品の高品質化に後押しされることで生乳需要の回復が見込まれ、着実に上昇していくと見込まれている。
(注4)同報告の原文では「基準期間比19.5%増」とされているが、ここでは表中の数値に基づく増加率とした。
【調査情報部 令和8年6月25日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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