今後の野菜生産については、流通側で情報技術の急速な発展に伴う電子商取引(Electric Commerce:以下「EC」という)、共同グループ購入、直接販売などさまざまな取引形態が行われている中で、1)品質や安全性の向上、2)効率化、3)供給量確保、4)価格安定-を中核目標として、生産施設や設備の改修、生産構造の最適化・転換、生産の高度化を更に推進するとしている。具体的には、スマート農業への転換を一層推進し、生産の標準化と最適化を図りながら、高品質かつ効率性の高い野菜生産を目指すとともに、環境に配慮した防除や有機生産なども行うとしている。以上の取り組みを推進することにより、2035年の生産量は8億9787万トン(基準期間比<23〜25年の平均値からの増減率>4.7%増)に達すると予測されている。
輸出量は、世界経済・貿易情勢の変化、地政学的状況の変化が予想されるが、生産力の拡大と併せて、引き続き生産コストや気候条件の優位性を確保することで、着実に増加することが見込まれている。施設農業の整備の進展および低温物流(以下「コールドチェーン」という)の迅速化などにより、35年には2017万トン(同37.0%増)になると予測されている。野菜の主要輸出先は日本、韓国、米国、ASEAN、EUなどであり、輸出主要品目はにんにく、きのこ類、トマト、しょうが、とうがらしなどが見込まれている。
消費量は、高鮮度、高品質な野菜の消費需要が今後も伸びていくとされ、35年には6億6845万トン(同6.1%増)に達すると予測されている。具体的には、1)健康志向の高まりによる機能性野菜や有機野菜の需要増加、2)都市化の進展や人口構造の変化による下処理済み野菜や即食野菜
(注3)の需要増加、3)施設生産やコールドチェーンなどの技術発展による野菜の流通段階でのロス率低減を図る中で、ECなどの消費チャンネルの拡大-などにより消費が伸びていくとされている。
価格面では、スマート農業の推進などにより野菜供給量は全般的に安定すると見込まれている。一方で、1)健康志向や高品質化志向の高まりなどによる野菜生産のブランド化、機能化、多様化・多角化、2)農地、人件費、生産資材などの生産コスト上昇-などにより、価格は季節的変動を繰り返しながら、ある程度上昇すると予測されている。
(注3)水や火を使う本格的な調理を不要とし、そのまま食べることができる状態の食品(カット野菜)。
【調査情報部 令和8年6月30日発】