国際情報コーナー 農畜産物全般、畜産、野菜、砂糖、でん粉の海外情報、輸出促進対策などの記事、統計

ホーム > 国際情報コーナー > 海外情報 > 海外情報(砂糖) > OECD/FAO、2035年までの世界の砂糖需給見通しを公表(2026年7月29日)

OECD/FAO、2035年までの世界の砂糖需給見通しを公表(2026年7月29日)

印刷ページ

最終更新日:2026年7月29日

 経済協力開発機構(OECD)および国連食糧農業機関(FAO)は2026年6月29日、共同で35年までの中長期的な世界の食料需給見通し(注)(以下「需給見通し」という)を公表した。このうち、砂糖について紹介する。

(注)OECDおよびFAOは共同で、中長期的な世界の食料需給見通しであるOECD FAO Agricultural Outlook 2026 2035 | OECDを年1回(7月ごろ)公表している。

1 生産

 世界の砂糖生産量は、世界的な人口増加、急速な都市化、所得増加を背景にアジア、アフリカなどで砂糖需要が拡大することから、2035年には2億299万トン(23〜25年平均比11.9%増)とかなり大きく増加すると予測されている。
 このうち、アジアの生産量の伸びが大きく、世界全体の増加量の60%を占めるとされている。国別にはアジア最大の生産国であるインド、ブラジルに次ぐ輸出国であるタイ、中国、パキスタンなどで大きく増加する見込みである。
 世界最大の生産・輸出国であるブラジルも35年には5020万トン(同11.7%増)とかなり大きく増加すると予測され、世界の砂糖生産量の約25%を占めるとされている(図1)。
図1 生産見通し
資料:OECDおよびFAO(以下同じ)。                                                                                注:図1のアジアについては、インド、中国、タイを除く。

2 消費

 世界の砂糖消費量は、アジアやアフリカの人口増加および所得増加などを背景に35年には1億9925万トン(23〜25年平均比11.5%増)とかなり大きく増加すると予測されている。
 地域・国別にみると、アジア(インドを除く)は7012万トン(同12.2%増)、アフリカは2778万トン(同26.3%増)、インドは3676万トン(同27.6%増)などと見込まれている。
 一方、1人当たりの年間消費量(食品向け)は、アジアとアフリカを除く地域(北米、南米、EU、オセアニア)で健康志向などにより減少が見込まれるため、35年には17.1キログラム(同3.6%増)とやや増加すると予測されている。
 地域・国別では、アジア(インドを含む)が16.0キログラム(同13.5%増)、アフリカが10.8キログラム(同3.8%増)、インドが17.9キログラム(同20.9%増)などと見込まれている。
 今後のアジア全体の砂糖消費は、インドが大きくけん引するものと見込まれる(図2)。
図2 消費見通し
注:図2のアジアについては、インド、中国、インドネシア、タイを除く。

3 貿易

 世界の砂糖輸出量は、アジアやアフリカの需要増加を背景に、35年には7160万トン(23〜25年平均比8.5%増)とかなりの程度増加すると予測されている。引き続き、ブラジル、タイ、豪州の上位3カ国が輸出をけん引する見込みである。
 ブラジルは35年には3974万トン(同13.2%増)、タイは959万トン(34.4%増)、豪州は325万トン(同11.6%増)と予測されている。
 なお、主要輸出国でもあるインドは133万トン(同51.5%減)と大幅に減少すると予測されている。
 一方、輸入量は35年には6855万トン(同9.8%増)とかなりの程度増加すると予測されている。世界最大の輸入国である中国とそれに次ぐインドネシアの順位が入れ替わる見込みである。
 中国が389万トン(同34.3%減)と大幅に減少する一方で、インドネシアは661万トン(同24.6%増)と大幅に増加すると予測されている。
 なお、インドも244万トン(同20.3%増)と大幅に増加すると予測されている(図3・図4)。
図3 輸出見通し
図4 輸入見通し
注:図4のアジアについては、インド、インドネシア、中国を除く。

4 サトウキビ主要生産国で砂糖とエタノールの競合が今後増す見込み

 需給見通しでは、ブラジルやインドなどのサトウキビ主要生産国で今後、砂糖とエタノールの競合が増すと見込まれている。35年において、世界の砂糖生産量はブラジルが25%、インドが18%(計43%)を占めるとともに、世界のサトウキビ由来エタノール生産量はブラジルが72%、インドが23%(計95%)を占める見込みであるとされている。
 近年のサトウキビ由来エタノール生産の増加は、原油に代わる燃料としての代替需要の役割が増大していることを示唆しているとし、今後、サトウキビがエタノール生産に向けられる割合が砂糖の輸出可能量にも影響し、ひいては今後の世界の砂糖市場の需給バランスにも影響を及ぼす可能性があるとしている。
【調査情報部 令和8年7月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532