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豪州連邦政府、カーボンニュートラル認証制度を廃止へ(豪州)

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 気候変動・エネルギー・環境・水省(DCCEEW)は2026年7月24日、企業や製品、サービス、イベントなどが「カーボンニュートラル」であることを豪州連邦政府が認証する「Climate Active(以下「CA」という)」制度を廃止すると発表した。CA制度は、2010年に発表された「国家カーボンオフセット基準」(注1)を発展的に改組し、第三者認証やラベル表示の仕組みを含めたプログラムとして、19年から運用されていた。CAの公式ウェブサイトによると、26年8月3日時点で、400以上の企業・製品などが同制度の認証を取得している。例として、豪州小売大手のコールスは同認証を取得し、プライベートブランド製品として、カーボンニュートラルを訴求ポイントとした牛肉を販売している(写真1)。
 
(注1)企業や製品が「カーボンニュートラル」を主張する際の基準を統一し、信頼性の高いオフセットの利用を促進することを目的として、GHG排出量の算定、削減、オフセットのルールを定めた豪州初となる技術的な国家基準。
写真:コールスで販売されているカーボンニュートラルビーフ (2026年7月31日撮影)
写真:コールスで販売されているカーボンニュートラルビーフ (2026年7月31日撮影)
 DCCEEWは、CA制度を通じてこれまで2500万トン以上のGHG排出削減(二酸化炭素換算)に貢献したと評価する一方で、気候変動を取り巻く事業環境の変化を背景とした制度廃止を掲げている。連邦政府は、1)22年にGHG排出削減目標を法制化、2)23年に大規模排出事業者を対象としたセーフガードメカニズム(注2)を強化、3)24年に豪州会社法の改正による気候変動関連の情報開示義務制度を導入、4)25年に経済全体でネットゼロを目指すための部門別の排出削減計画を公表―など、一連の改革を進めてきた。こうした変化により、企業は気候変動対策の実践がより強く求められており、国際的な指針・枠組みの成熟化が進んでいることからも、政府認証制度は不要という判断に至ったとしている。また、企業がカーボンクレジットを購入することでカーボンニュートラルを主張できるCA制度に対して、批判が高まっていることも要因とされている。DCCEEWは、カーボンニュートラルに対する世論の支持は低下しており、国内外で増加している気候変動をめぐる訴訟の中には、カーボンニュートラル製品の環境マーケティングに対する異議申し立てが含まれていることを認めている。

(注2)年間排出量が一定以上の排出施設を対象に政府が排出許容値(キャップ)を設定し、その遵守を管理する制度。

  現在、DCCEEWはCA制度に関する意見募集を実施しており、提出された意見を基に同制度を完全に廃止するのか、あるいは一部の自主基準を維持するのかを決める予定となっている。一部の自主基準の維持とは、認証制度自体は廃止するものの、企業向けの自主基準や関連ガイダンスを引き続き提供することを指す。最終的には、段階的な移行期間を経て27年6月30日までに廃止する見通しが示されており、豪州の気候変動目標(注3)達成に向けてどのような影響があるのか、その動向が注目されている。
 
(注3)豪州連邦政府は、気候変動関連の温室効果ガス排出量目標として、2030年までに2005年比で43%削減、2035年までに同62〜70%削減、2050年までにネットゼロを目指している。
【調査情報部 令和8年8月6日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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