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デニッシュ・クラウン社、経営体制合理化を目指し約800人削減(EU)

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 デンマークの食肉最大手デニッシュ・クラウン社は2026年6月、グループの経営体制の合理化を目指し、今後2〜3年で管理職および事務職を対象に約800人を削減する計画を発表した。各事業部門(注1)に分散している管理機能を本社に統合し、業務の共通化や管理業務の効率化を図ることで、約5億クローネ(125億3000万円:1クローネ=25.06円(注2))の効率改善を見込む。同社のデューダル最高経営責任者(CEO)は、「各事業部門が独立した企業のように運営されている現状を見直し、デニッシュ・クラウン社を国際的な同業他社と同様の組織構造へと正常化する必要がある」と述べた。今回の再編は、事業部門ごとに独立性の高かった経営体制を見直すものとしており、23年8月に公表した経営合理化計画(注3)の一環とみられる。なお、同社の24/25年度報告書(25年11月公表)によると、従業員数は2万3156人とされている。
 
(注1)同社は現在、豚肉事業「Industry」、加工食品事業「Foods」、牛肉事業「Beef」、英国事業「UK」のほか、スウェーデンの食肉事業会社「KLS」、ポーランドの食肉事業会社「Soko?ów」、食肉輸出販売会社「ESS-FOOD」、ケーシング・副産物事業会社「DAT-Schaub」の8事業部門で構成される。
 (注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」2026年7月末TTS相場。
 (注3)海外情報「デニッシュ・クラウン社、経営合理化計画を公表(EU)」もご参照ください。

これまでの経営再編状況

 デンマークでは近年、養豚経営体数の減少が続く中、ウクライナ情勢に伴う飼料価格の高騰などから繁殖母豚が減少し、国内のと畜頭数は減少傾向にある(図)。この減少要因として、デニッシュ・クラウン社を上回る価格を提示することが多いドイツやポーランド向けを中心に、生体豚の輸出が増加していることも挙げられる。
 こうした状況を受け、同社は工場処理能力の適正化を目指し、2022年に国内工場での人員削減に着手し、23年5月にセイビー工場を、24年9月までにリングステッド工場を閉鎖した(注4)。また、24年10月には約500人の正社員削減を公表したほか、25年1月にはドイツの小売向け食肉加工場の閉鎖、同年2月には中国・上海近郊の平湖工場の閉鎖をそれぞれ発表している。
 
(注4)海外情報「デニッシュ・クラウン社、デンマークの一部と畜場を閉鎖(EU)」、海外情報「デニッシュ・クラウン社、食肉処理場を閉鎖し、経営方針を転換(EU)」もご参照ください。
図

生産者との関係再構築に向けた取り組み

 同社は人員の削減計画と並行して、生産者との関係再構築にも努めている。2025年5月には、集荷量の回復を図るため、生産者への支払価格を大幅に引き上げており、この結果、同年夏には出荷契約数が増加したとしている。さらに同年11月には、生産者ごとの出荷実績が出荷権(delivery rights)に累積される仕組みの導入を決定した。出荷権は、同社から分配金が支払われる際の配分基準となるほか、生産者間での取引や移転も可能である。
 こうした取り組みにより、生産者の継続的な出荷を促し、安定的かつ予測可能な豚の供給確保を目指している。
【渡辺 淳一 令和8年8月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:調査情報部)
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