中国で世界乳業大会が開催、中国乳業大手は酪農生産による緑地化を報告(中国)
内モンゴル自治区のフフホトにおいて2026年7月31日から8月2日、伊利や蒙牛乳業といった大手乳業会社の共催で、世界乳業大会が開催された。本大会のテーマは「科学技術を牽引力とし、業界全体で相互利益を実現し、世界の乳業における持続可能なエコシステムを構築する」としている。同大会には、国際酪農連盟(IDF)や大手乳業企業であるフォンテラ、専門家、研究機関などが一同に会した。
この中で、主催側の中国乳業大手の蒙牛乳業は同年7月30日、国際連合プロジェクトサービス機関(UNOPS)に「砂漠化対策および緑色(注1)実践報告」(以下、「実践報告」という)を提出したとしている。実践報告は、蒙牛が内モンゴル自治区の砂漠の緑地化を行ってきたことを示すものである。
(注1)中国では「グリーン:緑色」という言葉は「環境に配慮する」という意味が含まれる。
蒙牛、グリーンで持続可能な酪農を目指す
蒙牛グループの総裁は、「内モンゴル自治区の酪農産業が、草地資源を生かした循環型産業の構築及び技術革新を通じた産業高度化を推進し、グリーンで持続可能な酪農の発展を主導した」と述べた。また、同社は内モンゴル自治区にあるウランブハ砂漠の緑地化と有機牧場設置について、「今後、蒙牛は、社会実装のためにこれらの技術を普及し、世界中のパートナーと協力して乳業業界全体の『グリーンチェーン』(注2)への変革を加速させる」とした。
本大会では、世界の乳業業界がさらなる高品質化と持続可能な未来に向けて協力することを目的とした「世界乳製品産業の持続可能な発展のためのフフホト・イニシアチブ」が発表された。蒙牛もこの大会の中で、「乳製品産業グリーンチェーン変革加速計画」を公表し、乳製品サプライチェーン全体での低炭素化を推進し、新たな環境配慮型の乳製品の構築を目指すことを表明した。
(注2)砂漠の緑地化から牧草の栽培、乳牛の飼育、牛乳の生産までのサイクルを指す。
砂漠の緑地化と高品質な生乳生産を両立
現地報道によると蒙牛は2009年、内モンゴル自治区バヤンノール市県にあるウランブハ砂漠の緑地化を開始し、2万2千ヘクタールの砂漠を緑地化した。現在では、22万ムー(1万4740ヘクタール:1ムー=0.067ヘクタール)の牧草地と33カ所の有機牧場を設置し、14万頭の乳牛を飼養している。緑地化により100種類以上の動植物が生息するようになり、80年代よりも粉塵の排出量は80〜90%減少するなど、生態系などの改善も達成できたとしている。緑地化した地域内に9カ所の堆肥センターを設置し、地域内の牧場で排出される牛糞をすべて堆肥化して牧草地に還元している。蒙牛は、「3ムー(0.2ヘクタール)の牧草地が乳牛1頭を養い、乳牛1頭の牛糞で牧草地3ムーを育む」としており、砂漠の緑地化と高品質な生乳生産を両立できたとしている。
現地報道によると、今回、蒙牛がUNOPSに提出した実践報告は、企業と地方政府の連携による生態保護と企業成長のバランスが取れた中国の砂漠化対策であるとしている。
【調査情報部 令和8年8月24日発】
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