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欧州委員会、公共調達で持続可能性などを考慮する評価方式の義務化を提案(EU)

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 欧州委員会は9月9日、公共調達に関する規則の改正案を公表した。これは、2014年に制定された3つの指令を廃止し、関連する規則を単一の規則に置き換えるものである。EUの公共調達市場は、GDPの15%に相当する約2兆6000億ユーロ(486兆2000億円、1ユーロ=187.00円(注))の規模を有する。今回の改正案では、公共調達をEUの政策目標の達成に向けた政策ツールとして、これまで以上に活用する方針が示されている。 
 改正案では、最低価格方式が主流となっている現状を課題として認識し、落札者を決定する際に、価格と品質を総合的に評価する方法を原則としている。この「品質」には、EUの政策目標である気候・環境に配慮した持続可能性に関する取り組みなどを含むことが可能となっている。発注者は、総評価点のうち30%以上(労働集約的な契約では50%以上)を品質の評価に配分する必要がある。
 また、欧州を優遇(European preference)する評価方式が任意で導入可能となる。発注者は、入札参加者や調達対象製品をEU企業、EU産品に限定する措置や、評価においてEU産品を優遇する措置などを講じることができる。ただし、日本などのEUとの自由貿易協定(FTA)、WTO政府調達協定、関税同盟の締結国の企業・産品は、この措置においては、原則としてEU企業、EU産品と同等として扱われる。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」2026年8月末TTS相場。

食品の落札基準にもEUの政策目標関係指標を設定可能

 食品の公共調達においては、食品の品質や持続可能性に関する食品特有の事項を落札基準などに加えることができる。改正案で示された食品特有の事項は、1)食品サプライチェーンにおける公正性および透明性、2)農業者への公正な報酬、3)食品サプライチェーンの組織体制、4)有機や地理的表示などの品質保証制度、5)食品の栄養価および健康への影響、6)鮮度および季節性、7)アニマルウェルフェアーとなっている。
 上記項目には、欧州委員会が農業分野における優先課題として挙げているものが多く含まれている。欧州最大の農業生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(Copa−Cogeca)がプレスリリースで評価しているように、今回の措置には欧州の地域農業や産品をより強く支援する狙いがある。 EUの農業界では、EU域内の生産基準が域外産品には適用されていないとの不公平感が根強く、欧州委員会はその是正に取り組む姿勢を示してきた。今回の措置は、その取り組みの一環とみられる。
 規則案は今後、EU理事会および欧州議会で審議される。
【調査情報部 令和8年9月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532