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EUとインドのFTA の詳細公表、食肉および乳製品の自由化は限定的(EU、インド)

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 欧州委員会は2026年9月11日、インドとの自由貿易協定(FTA)について、署名および締結に向けた提案をEU 理事会に提出した。EUとインドは同年1月27日、同協定交渉の妥結を発表しており、今回の提案により合意内容の詳細が明らかとなった。
 関税の取扱いについて、EUからのインド向け輸出に関しては、現在の貿易額ベースで最終的に96.6%が関税撤廃または削減の対象となる。欧州委員会によれば、これにより年間約40億ユーロ(7480億円、1ユーロ=187.00円(注1))の関税負担の削減効果が見込まれる。一方、インドからのEU向け輸出に関しては、現在の貿易額ベースで99%が関税撤廃または削減の対象となる。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年8月末TTS相場。
 
 農産品については、EU産ワインやオリーブオイルなどに対するインドの関税が撤廃または削減される一方、EUおよびインド双方の農業界にとって重要品目と位置付けられる牛肉、鶏肉、砂糖、コメなどは自由化の対象から除外された。乳製品についても、自由化の範囲は限定的となった(表)。
 畜産物について、牛肉、鶏肉および鶏卵は、 EU、インドともに現行関税を維持する。豚肉は、関税割当を設定するものの、その枠数量はEUが1000トン、インドが2000トンと限定的である。ソーセージ類は、EUが5年で関税を撤廃し、インドは5年をかけて関税率を110%から50%まで段階的に引き下げる。
 乳製品について、第4類は、EUが大半の品目で現行関税を維持し、インドもすべての品目で現行関税を維持する。一方、ミルク調製品やホエイたんぱく濃縮物は、一定の譲許が見られる。インドは関税分類番号19011090に分類される「その他の調製品(乳児用調製粉乳含む)」の関税50%を5年で撤廃するほか、同35022000に分類される「ホエイたんぱく濃縮物」の関税22%を10年かけて11%まで引き下げる。
 なお、食品安全基準や衛生植物検疫措置(SPS)については、EUとインドはそれぞれの基準を維持する。
表
(注2)表中の注3の欧州委員会公表資料はこちらからご参照いただけます。
 
 本FTAは、EUとインドの双方にとって、これまでに締結した中で最大規模だが、畜産物に関する自由化は限定的となった。欧州最大の農業生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(Copa−Cogeca)は、1月の妥結発表時の声明において、本協定を「EU農業のセンシティブな部門に配慮したバランスの取れたもの」と評価し、歓迎の意を示した。これは、過去に農業界から強い反発を招いたメルコスール(2026年5月1日から暫定適用が開始)や豪州(2026年3月妥結)などとのFTAに対する反応とは大きく異なる。
 本FTAは今後、EUとインド双方で批准に向けた手続きが進められる。
【調査情報部 令和8年9月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532