豪州競争・消費者委員会、主要鶏卵事業者を競争法違反の疑いで提訴(豪州)
豪州競争・消費者委員会(Australian Competition & Consumer Commission(以下「ACCC」という))(注1)は2026年10月13日、国内最大手の鶏卵供給業者であるサニークイーン・オーストラリア社(「以下サニークイーン社」という)を含む12社(関連会社を含む)を相手取り、鶏卵の生産量や流通、価格決定などに関する協調を通じて競争を制限した疑いがあるとして、豪州競争・消費者法(Competition and Consumer Act 2010(以下「CCA」という))違反で連邦裁判所に提訴したと発表した。
(注1)消費者の権利と事業を保護し、違法な反競争的行動を防止することを目的とした組織。日本の公正取引委員会に相当する機能を有する。
ACCCによると、サニークイーン社を含む12社は、生産量、流通、価格決定、事業拡張計画などについて協調し、鶏卵市場における競争を実質的に制限した疑いがある。ACCCは、これらの行為がCCA上のカルテル規制(注2)に加え、「協調的行為(concerted practices)の禁止」にも違反すると主張している。同規制は17年のCCA改正により導入されたものであり、ACCCによれば、当該規定を適用した提訴は今回が初めてとなる(表)。
(注2)競争事業者間で価格、生産量、販売先等を共同で決定し、市場競争を不当に制限する行為を禁止する競争法上の規制。
サニークイーン社は、クイーンズランド(QLD)州の生産者に代わって鶏卵の加工・流通・販売を担っていた法定の鶏卵販売機関(Egg Marketing Board)が前身となっている。州の規制緩和に伴い民営化・会社化され、現在は大手鶏卵生産事業者2社が主要株主となっており、鶏卵の年間供給量は約15億個と、国内市場への供給量の3分の1を占める。今回の訴訟では、これらの企業に加え、サニークイーン社を通じて鶏卵を販売している独立系の大手鶏卵生産事業者も対象となっており、豪州鶏卵業界の中核を担う事業者群に影響が及ぶ可能性がある。
ACCCのカスゴットリーブ委員長は、「豪州人は1人当たり年間約250個の卵を消費している。主要供給業者が本来独立して下すべき意思決定を協調して行動した場合、消費者は競争による価格や選択肢の面での恩恵を十分に受けられなくなる。今回の事案は、企業が生産量、供給量および価格設定をそれぞれ独立して決定する必要があることを示すものである」と述べ、本件の重要性を強調した。これに対して、サニークイーン社の広報担当者は、すべての疑惑を否定しており、訴訟に対して争う意向を示している。
【調査情報部 令和8年10月21日発】
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