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2019年畜産物の生産実績、家きん部門が好調(フィリピン)

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 フィリピン統計局は1月22日、2019年の畜産物の生産実績を発表した。これによると、生産量は538万9000トン(前年比2.2%増)、生産額は5448億ペソ(1兆2530億円:1ペソ=2.3円(1月末TTS相場)、同1.6%減)となった(表1)。詳細は以下のとおり。
表1 畜産物の生産実績
 家畜部門の生産量は、生乳が前年を上回ったものの、生乳以外が前年を下回ったことから、279万9000トン(同1.0%減)となった。生産額は、8割を占める豚肉が前年をかなりの程度下回ったため、全体でも2984億ペソ(6863億円、同7.2%減)とかなりの程度減少した。
 豚肉については、2019年7月に発生したASF(アフリカ豚熱)により、生産量は同1.0%減となったが、需要減退による価格の値下げ等により生産額は同9.5%減となり、減少幅は生産量よりも大きくなった。一方、生乳については、加工業者からの継続的な需要による農家価格の上昇と乳用牛飼養頭数の増加から、生乳生産量は同3.0%、生産額は同6.2%といずれも増加した。
 家きん部門は、引き続き鶏肉および鶏卵が好調であったため、生産量は259万トン(同5.8%増)、生産額は2464億ペソ(5667億円、同6.3%増)となった。
 鶏肉は豚肉からのシフトによる高い需要、鶏卵は養鶏場の規模拡大等が生産量の増加した要因として挙げられている。
(参考)海外情報「2018年の畜産物の生産実績、家きん部門が堅調(フィリピン)」
 食肉消費は、人口の増加と高い経済成長により、増加傾向にある。消費の大部分が豚肉と鶏肉であり、1人当たりの年間食肉消費量で鶏肉は増加傾向で推移している(図)。しかし、自国生産だけでは鶏肉需要を賄うことができないため、鶏肉供給量の約11%を米国、オランダ、ブラジルなどの国から輸入しているが輸入量は増加傾向である(表2)。なお、輸入量のうち、ほとんどが冷凍鶏肉となっており、加熱加工品の輸入量は少ない。
図 1人当たり年間食肉消費量の推移
表2 冷凍鶏肉などの輸入量の推移
【小林 智也 令和2年2月17日発】
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