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ロシアの砂糖輸入量、干ばつによる減産で300万トンに増加の見通し

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最終更新日:2011年4月14日

輸入粗糖からの精製糖生産量、4月11日時点で前年同期比56.1%増加

 ロシア砂糖生産者組合によれば、年初から4月11日までのロシアにおける輸入粗糖からの精製糖生産量は60万2500トン(前年同期比56.1%増)となり、前年度の実績を大幅に上回った。また、製糖工場における輸入粗糖の在庫量は6万9900トン(同39.4%減)に減少している。
 ロシアは世界第3位の砂糖輸入国であり、英調査会社のLMCによると、2010/11ロシア砂糖年度(7月〜翌6月)における輸入量は、夏季の干ばつによる減産で300万トン(前年度比4.4%増)に達すると見込まれる。需給ひっ迫により国内の砂糖卸売価格は上昇を続け、3月の平均は1トン当たり34,140ルーブル(110,613円、1ルーブル=3.24円)と、前年同月比3割高となった。政府は国内需給の緩和を図るため、通常5月に行う粗糖の輸入関税引き下げを3月に前倒しして実施し、1トン当たり50米ドル(4,250円、1ドル=85.01円)に設定した(なお、ロシアの砂糖輸入関税制度については、砂糖類情報1月号需給レポート「ロシアの砂糖需給動向」を参照されたい)。

精製糖生産状況
砂糖価格

2011/12年度の砂糖生産は回復の見通し

 同組合によれば、2011/12年度の同国の砂糖生産は大幅な回復が見込まれる。砂糖価格の高騰により、てん菜作付面積は120万ヘクタール(前年度比1.4%増)と17年ぶりの高水準になると予測され、てん菜生産量は3500万トン(同67.0%増)に増加するとみられる。原料作物の増産により、砂糖生産量は400〜420万トンと、前年度から100万トン以上の増産が期待される。しかしながら、4月12日までの作付面積は12万9300ヘクタールと前年同期を7万4500ヘクタール下回っており、また、前年度のように天候不順の影響で当初予測を下回る可能性もあることから、引き続き動向が注目される。


【日高千絵子 平成23年4月14日発】


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