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砂糖協会、20年振りの食品表示ラベル改正に不快感示す(米国)

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最終更新日:2014年3月5日

 米国食品医薬品局(以下「FDA」という)は2月27日、肥満や心臓病などの慢性的疾病と食事との因果関係について、最新の科学的根拠に基づく情報を反映した加工食品の栄養表示ラベルの改定案を公表した。この提案には、2010年から始められた、特に肥満児童を減少させる「レッツ・ムーブ」運動に取り組むミッシェル・オバマ米国大統領夫人がも同席した。「レッツ・ムーブ」運動では、「健康的な食事」や「活動的な生活様式」を推奨しており、今回の提案はこれら指針の一つである「健康的な食事に関する情報を得やすくする」取り組みとされている。改定案の公表に際し、大統領夫人は、「私たちの指針は非常にシンプルなものであり、親として、消費者として、食品店の棚から家族にとって良い食品を選ぶことを可能にしている。」と述べた。また、FDAのハンブルグ長官は、「今回の改正案は、国民の間で深刻な問題となっている慢性的疾病と食事との関係性を栄養学の観点から見たものであり、この20年間、消費者が食品を選択するために必要な栄養表示より見やすいものとしたものである。」と述べている。
FDAが発表した改定案は次のとおり。
・加工食品に使用されている砂糖を「添加砂糖(added sugar)」として表示
・カリウムとビタミンDの義務表示
・ナトリウム、食物繊維、ビタミンDの1日総摂取目安量(DV)を更新
・総脂肪、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の表示は継続する一方、脂肪由来のカロリーの
 表示義務を削除
・肥満と心臓病といった公衆衛生問題に関係するカロリー、サービングサイズ、1日総摂
 取目安量の値を更新
図
 今回の発表を受け、甘味資源作物生産者団体、製糖メーカー、精製糖メーカーを会員とする米国砂糖協会会長のブリスコー氏は、同日、「私たち(砂糖関係者など)は、肥満とその長期的な健康への悪影響については、大統領夫人およびFDAと意見は一致しており、国民が果物や野菜といった栄養価の高い食品を積極的に摂取することに異論唱えることはない」としながら、「今回の改定案の1つである「添加砂糖」の表示は、科学的根拠により判断されたものであるのか非常に疑問であり、栄養表示の項目に砂糖を入れることに反対している。」との声明を発表した。さらに、この表示がショ糖とその他の甘味料と区別されないことも問題であると述べている。
 同氏は、90日間のパブリックコメント期間中、「添加砂糖」の表示義務に対し抗議するとしている。
[植田 彩 平成26年3月5日発]
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