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特集:TPP11協定および日EU・EPAにおける代表的な畜産物の輸出見通し 畜産の情報 2018年12月号

TPP11 協定および日EU・EPA を踏まえた輸出国における動向等

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調査情報部
 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、アジア太平洋地域において、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化や知的財産等の規律など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築すべく交渉が進められてきた。2016年2月に12カ国が署名した後、2017年1月に米国が離脱を表明するという紆余曲折を経て、同年11月に、米国を除く11カ国(注)でTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的かつ先進的な協定:CPTPP)を大筋合意し、本年3月、11カ国の閣僚が署名を行った。その後、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド(NZ)、カナダに続き、10月31日に豪州が国内手続を完了し、協定の寄託国であるNZに通報を行ったことから、協定の規定に基づき、60日後である本年12月30日に発効することとなった。

(注):豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、NZ、ペルー、シンガポールおよびベトナムの11カ国

 畜産物については、牛肉では関税撤廃が回避、豚肉では差額関税制度が維持されるとともに、長期の関税削減期間と、当該期間中の輸入急増に対するセーフガードが確保された。また、脱脂粉乳、バターでは、国家貿易が維持された上でTPP輸入枠が設けられ、チーズでは、日本人の嗜好に合うソフトチーズなどの関税が維持され、主に原材料として使われるチェダー、ゴーダなどについて長期の関税削減期間が確保された。
 また、当機構で実施している肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)、養豚経営安定対策事業(豚マルキン)について、協定の発効に合わせて法制化されるとともに、()(てん)率の引き上げなどが行われる。
 一方、2017年12月には日EU経済連携協定(日EU・EPA協定)の交渉が妥結し、本年7月に首脳が署名した。本年11月現在、それぞれの国内手続が進められている。
 日EU・EPA協定では、畜産物について、TPP同様の国境措置に加え、ソフトチーズなどでは、国産の生産拡大と両立できる枠数量の関税割当が導入されることとなった。また、地理的表示(GI)について、相互に保護を求めるGI産品を確定し、EUが求めるGI産品については、農林水産大臣が指定することとされた。
 このように新たな国際環境の下、わが国の畜産業をめぐる環境にもさまざまな変化がもたらされることは避けられない。また、酪農・畜産の生産基盤を強化するためにも、主要輸出国の情勢を把握することは重要なことであると考える。
 今号では、こうした情勢を踏まえ、TPP11協定に係る国内手続を終えたカナダの牛肉、NZの乳製品や、EUの豚肉および特にGI制度で保護されたチーズについて、それぞれの国、地域内の生産者の動向や日本向け輸出についての見解などを調査した結果をまとめて報告する。
このページに掲載されている情報の発信元
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