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国内の需給動向【コラム】   畜産の情報 2018年12月号

コラム 〜 TPP11協定、年内発効へ〜

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 平成30年10月31日、日本を含む6カ国がTPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の国内手続を完了し、協定の寄託国であるニュージーランドに対し通報した。TPP11協定第3条は、署名国のうち6カ国が国内手続完了した旨を寄託者に通報した日の後、60日で効力を生ずる、と規定していることから、TPP11協定は2018年12月30日に発効することとなった。
 各品目の今後の関税の推移等については以下の通りとなっている。


【牛肉】
 牛肉については、関税撤廃を回避し、セーフガード付きで関税を削減することになり、関税率は協定発効初年度となる2018年度(12月30日〜3月31日)に冷蔵品で27.5%、冷凍品で26.9%(注)となり、2年目の2019年度は26.6%となる。その後10年目に20%、16年目以降に9%となる。また、輸入急増時に発動するセーフガードは、発効時の適用税率を当初の38.5%から15年目に18%まで段階的に引き下げ、16年目以降は毎年1%ずつ削減し、4年間発動がなければ廃止される。
注:日豪EPAの税率の方が低い場合には、TPP各国に日豪EPAによる税率が適用される。


【豚肉】
 豚肉については、差額関税制度を維持し、関税削減期間中のセーフガードを確保している。課税額が最小となる分岐点価格(1キログラム当たり524円)は変わらず、従量税および従価税を削減することとなっている。従量税(現行1キログラム当たり482円)は、協定発効初年度となる2018年度に同125円、その後段階的に引き下げ、10年目(関税削減最終年度)の2029年度には同50円となる。また、従価税(現行4.3%)は、協定発効時に2.2%、その後段階的に引き下げ、10年目には撤廃となる。


【鶏肉】
 鶏肉については、現行では8.5%〜11.9%の関税率が設定されている。協定発効後、冷蔵丸鶏と冷凍丸鶏については6年目までに、その他のものについては、11年目までに段階的に関税が撤廃される。


【牛乳・乳製品】
 乳製品のうち、脱脂粉乳・バターについては、現行の国家貿易制度および枠外税率を維持した上で、脱脂粉乳・バター合計で一定数量のTPP枠が設定され、11年目までに、バターは初年度の35%+290円/kgから35%、脱脂粉乳は初年度の25%+130円/kgまたは35%+130円/kgから25%または35%まで、それぞれ税率が引き下げられる。


【鶏卵】
 鶏卵については、現行の殻付き卵、全卵、卵黄、卵白の関税率(8.0〜21.3%)が殻付き卵のうち、冷蔵、冷凍のものについては、協定発効後段階的に13年目に関税撤廃となり、その他のものについては段階的に11年目に関税撤廃となる。また、全卵・卵黄のうち、全卵粉については13年目に関税撤廃となり、その他のものについては6年目に関税撤廃され、卵白については即時関税撤廃となる。
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