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海外の需給動向【豚肉/EU】  畜産の情報 2019年1月号

豚肉生産量は、前年同月をわずかに上回る

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8月の豚肉生産量は前年同月をわずかに上回る

 欧州委員会によると、2018年8月の豚肉生産量(EU28カ国)は、前年同月を0.3%上回る189万6650トンとなった(図10)。と畜頭数は、2119万頭(前年同月比0.6%増)、1頭当たり枝肉重量は、89.5キログラム(同0.4%減)となった。
  8月の主要生産国の豚肉生産量を見ると、デンマーク、イタリア、スペインでは増産となったものの、ドイツ、オランダ、フランスでは減産となった(表7)。
 同年1〜8月の豚肉生産量の合計は、1581万4290トン(前年同期比3.3%増)となった。

 
図10 豚肉生産量の推移



表7 主要生産国別豚肉生産量



10月のデンマークの豚飼養頭数は、前年を2.3%上回る

 デンマーク統計局は、四半期に一度、豚の飼養頭数を公表している。
 同局によると、デンマークの10月1日時点での豚飼養頭数は、前年同日を2.3%上回る1298万8000頭となった(表8)。7月1日時点の飼養頭数は、前年同日比3.3%増であったことから、増加のペースは減速しているものの、飼養頭数は拡大傾向にある。

 
表8 豚飼養頭数の推移(デンマーク)


  繁殖部門と肥育部門の内訳をみると、繁殖部門については、繁殖豚全体では前年同の127万頭となっている。また、妊娠母豚は同0.9%増となったものの、繁殖仕向け雌豚は同6.7%減となった。
 肥育部門については、肥育豚は同2.1%増の295万頭、離乳子豚は同2.5%増の609万頭、初生子豚は同3.3%増の268万頭となった。なお、それぞれの7月時点の飼養頭数は、同4.8%増、同2.5%増、同3.5%増であったことから、肥育部門の増加のペースは減速している。
 飼養頭数の増加のペースが減速しているのは、豚肉卸売価格の低迷が理由と考えられる。また、繁殖部門での飼養頭数の拡大傾向がみられないことから、中長期的な増頭は見込めないものと考えられる。
 なお、10月の豚飼養頭数について、英国農業園芸開発委員会(AHDB)は、他の主要な豚生産国とは対照的に、デンマークの豚飼養頭数は拡大を続けているとし、英国への豚肉の主要供給国であるデンマークの動向は、英国と欧州の広範な市場に影響を与えるものとみている。


豚価は前年を下回る水準で推移

 欧州委員会によると、2018年10月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前年同月比8.8%安の100キログラム当たり138.08ユーロ(1万8088円:1ユーロ=131円)となり、14カ月連続で前年の水準を下回って推移している(図11)。

 
図11 豚枝肉卸売価格の推移
 
(調査情報部 前田 絵梨)
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