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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2019年3月号

30年の牛肉輸入量、17年ぶりに60万トン超え

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牛  肉


 平成30年12月の牛肉需給を見ると、生産量は3万829トン(前年同月比3.6%減)と3カ月ぶりに前年同月をやや下回った。品種別では、和牛が1万5049トン(同1.8%減)とわずかに、交雑種が8030トン(同4.3%減)とやや、乳用種も7404トン(同5.5%減)とやや、いずれも前年同月を下回った。
 輸入量は、冷蔵品が2万2821トン(同2.4%減)と3カ月ぶりに前年同月を下回った一方で、冷凍品は2万4759トン(同5.2%増)と前年同月をやや上回ったことから、全体では4万7612トン(同1.3%増)となった。
 推定出回り量は、前年同月をわずかに下回る8万3976トン(同0.9%減)となり、推定期末在庫は前月から5986トンほど取り崩したものの、11万9768トン(同7.7%増)と前年同月をかなりの程度上回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。


30年の冷蔵牛肉輸入量、前年に引き続き米国産がトップに

 平成30年(1〜12月)の牛肉輸入量は、国内で高まる肉ブームなどを背景に17年ぶりに60万トンを超える60万7475トン(前年比6.0%増)と前年をかなりの程度上回った。このうち、冷蔵品は27万8505トン(同4.9%増)と前年をやや上回った。国別に見ると、米国産は13万6217トン(同0.4%減)と前年からわずかに減少し、次いで豪州産は12万7436トン(同8.4%増)と前年からかなりの程度増加した。また、現地の生産量が増加傾向にあるカナダ産は5345トン(同62.7%増)と前年から大幅に増加した(図1)。

 
図1 牛肉の国別輸入量

 
 米国産については、好調な国内需要に加えて、中国や韓国などのアジアを中心とした輸出需要が高まる中、前年と比較して日本向け価格が高値で推移した。豪州産は、現地の干ばつによる牛群縮小に伴い、雌牛を中心にと畜頭数が増加し、価格・供給面で安定していることから需要が高まったものとみられる。
 この結果、冷蔵品輸入量に占める国別シェアは、米国産が29年の51.5%から48.9%へと2.6ポイント下落した一方、豪州産が44.3%から45.8%へと1.5ポイント増加した。
 また、冷凍品輸入量も30年4月以降、関税の緊急措置が解除されたことに加え、好調な需要を背景に32万8361トン(同7.0%増)と前年をかなりの程度上回った。国別に見ると、日豪EPAにより関税メリットのある豪州産が18万4208トン(同8.4%増)と前年からかなりの程度増加した。また、4月以降、関税の緊急措置が解除された米国産は11万729トン(同8.3%増)、カナダ産も1万5918トン(同3.2%増)と前年から増加した。


30年の牛肉輸出量、過去最高を更新

 平成30年の牛肉輸出量は3557トン(前年比31.5%増)、輸出金額は247億円(同29.0%増)と過去最高を更新した(図2)。31年の輸出目標(250億円、4000トン相当)の達成に向けて、着実に増加している。冷蔵品・冷凍品のそれぞれの輸出量は、冷蔵品が1907トン(同42.9%増)、冷凍品が1650トン(同20.4%増)となり、中でも冷蔵品は29年9月に輸出が可能となった台湾向けが500トンを超えるなど高い伸びが目立った。主な輸出先国を見ると、カンボジアが最も多く、次いで香港、台湾と東南アジアが続く。牛肉輸出量が増加している背景には、輸出国・地域の拡大に加え、日本畜産物輸出促進協議会や独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)による国を挙げての輸出促進の取り組みなどが挙げられる。

 
図2 牛肉の輸出量・金額の推移

 
(畜産需給部 小林 智也)