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調査・報告/専門調査 畜産の情報 2019年5月号

自律的な酪農課が創設し、合併農協が支えたTMRセンター〜「有限会社アグリサポートばろう」を事例に〜

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岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授 横溝 功

【要約】

 湧別町農業協同組合の管内では、地域の酪農家が中心となってTMRセンターを創設した。当該TMRセンターを利用する酪農経営は高泌乳を実現している。酪農経営における労働負担を軽減するための支援システムとして、草の根から立ち上がったTMRセンターの展開に迫る。

1 はじめに

 わが国の生乳生産量の一大産地である北海道では、生産基盤強化のための取り組みとして、「第7次北海道酪農・肉用牛生産近代化計画(平成28年3月策定)において下記の項目が挙げられている。これは、2025年を目標年としたものである。

「イ 家族経営をサポートする地域営農支援システムの確立
 労働負担の軽減や作業の効率化を図るため、ヘルパー、哺育・育成センター、コントラクター、TMRセンター、公共牧場など家族経営を地域でサポートする多様な営農支援システムの確立と、その経営基盤の安定を図ります。
 また、こうしたシステムの活用により、自給飼料の安定生産や飼養管理等への集中による生産性の向上、新規就農者等の技術習得など、地域全体での所得向上や担い手確保を推進します。」


 労働力不足が喫緊の課題となる中で、粗飼料栽培から搾乳作業を含めた家畜飼養のすべてを個別完結型で対応することは難しい状況となっている。酪農家が持続可能な経営を展開するためには、労働負担軽減・省力化が重要であり、各地でTMRセンターが設立されている。
 TMRセンターの設立によって、酪農家がメリットを受けることが肝要であることはいうまでもない。しかし、TMRセンターの経営が継続しなければ、長期的には、問題解決にはつながらない。それ故、TMRセンターの経営継続を担保しつつ、酪農家がメリットを受けるような仕組みの構築が求められるのである。
 本稿では、地域営農支援を目的として、湧別町農業協同組合(以下「JAゆうべつ町」という)管内で創設されたTMRセンター「有限会社アグリサポートばろう」の取り組みについて取り上げることで、理想的なTMRセンターの仕組みを明らかにする。

2 JAゆうべつ町の概要と酪農

(1)JAゆうべつ町と芭露地区の概要
 2002年2月1日、湧別町内にある湧別農業協同組合、芭露農業協同組合、湧別町畜産農業協同組合の3農協が合併し、JAゆうべつ町が設立された。
 行政区域の湧別町は、2009年10月5日に、上湧別町と湧別町が合併している。旧上湧別町には、上湧別町農業協同組合があったが、1999年2月1日に、遠軽町農業協同組合と合併して、えんゆう農業協同組合になっている。従って、JAゆうべつ町は、現在の湧別町の中の旧湧別町を管轄していることになる。
 本稿で取り上げる「有限会社アグリサポートばろう」は、旧芭露農協(現芭露支所)管内の酪農経営者により立ち上げられた。旧芭露農協の立地条件は、旧芭露農協の「作業受託事業の計画概要」によれば、以下の通りである。
 「芭露農協の区域は、湧別町の南東部にあって、北西部にある湧別農協とテイネ川を境として接している。
 サロマ湖に注ぐ芭露・志撫子・計呂地の各河川流域を帯状に原野が介在し、海岸線沿いは平坦で山間部地域は緩傾斜地となっている。
 気象条件は、オホーツク海型気候地域としての特色を持ち、四季を通じて寒暖の差が大きく、内陸地帯に比較してやや低温で冬期間は寒冷の度が強い。
 例年、6月から7月にかけて、オホーツク海高気圧に支配され気温の低下、日照不足が続き積算温度が低く農作物は耐冷性の飼料作物、甜てん菜さい、小麦が主体である。」
 上記の6月から7月にかけての日照不足は霧の影響によるもので、状況によっては牧草を乾草にすることが難しい。なお、飼料作物は、土壌条件の良いところでは、飼料用トウモロコシが栽培されている。

(2)JAゆうべつ町の酪農
 JAゆうべつ町の本所管内と芭露支所管内、および全道における酪農の位置付けを示したものが表1である。2007年度と2017年度を比較すると、酪農経営体数は、芭露支所管内の減少率が小さいことが分かる。
 経産牛飼養頭数は、全道では減少しているが、本所管内と芭露支所管内では増加していることが分かる。
 生乳生産量は、全道では横ばいで推移しているのに対して、芭露支所管内では2.6%と増加している。
 1戸当たり経産牛飼養頭数は、本所管内と芭露支所管内だけではなく、全道でも増加している。全道では2.5%の増加率であるのに対して、芭露支所管内では3.7%と約1.5倍の増加率である。
 経産牛1頭当たり生乳生産量は、本所管内と芭露支所管内だけではなく、全道でも増加している。全道では0.5%の増加率であるのに対して、芭露支所管内では1.3%と約3倍の増加率である。元来、芭露支所管内の数値が、全道と比較して高かったが、その格差が拡大していることが分かる。2016年度の芭露支所では、1万キログラムを超えている。芭露支所管内の酪農経営が、高泌乳を実現していることになる。
 以上のことから、全道と比較して、JAゆうべつ町の中でも芭露支所管内の酪農経営が健闘していることが分かる。
 

3 TMRセンターの展開

 前述のように、全道の中で、芭露支所管内の酪農は戸数の減少を全道平均よりも低く抑えつつ、1戸当たりの経産牛飼養頭数や経産牛1頭当たりの生乳生産量を高めている。すなわち、大規模化と同時に高泌乳を実現している。このような芭露支所管内の酪農経営を支える組織として、当該地域を管轄するTMRセンター「有限会社アグリサポートばろう(以下「当該センター」という)」を取り上げる。

(1)TMRセンター設立の経緯
 前述のように、2002年2月1日に、3農協が合併してJAゆうべつ町が誕生した。合併農協の本所は、旧湧別農業協同組合の本所に置かれ、旧芭露農業協同組合の本所は、合併農協の支所になった。合併農協の場合、農協の信用、共済、販売・購買、営農指導の機能が本所に集中して、支所へわずかな機能が残るだけになることが多い。また、支所が多い広域農協の場合は、さらに支所が統廃合されることもある。
 芭露支所管内の酪農家は、農協合併に伴う地域酪農の弱体化に危機意識を抱いた。そこで、管内酪農家が有志で集まり協議を繰り返した結果、最終的に管内酪農家である菊地厚氏を代表として、飼料給与体系の改善による乳量増加、酪農経営における飼料作物収穫管理作業などの外部化による労働力強化を検討した。
 後述するように、農協合併時には、地域内にはコントラクターが存在しており、その機能をより発揮するためには、TMRセンターの設立が不可欠という結論に至る。既存のコントラクターにTMRセンターが加わることは、飼料生産に加え、飼料調製作業も外部化できることで、乳牛の飼養頭数拡大につながると考えた。
 その結果、「ゆとりとやすらぎのある地域づくり」を実現するため農作業受委託事業を導入することとし、その柱として当該センターを設立することになった。
 2003年に、当該センターの設立がJAゆうべつ町との間に合意され、2005年1月に前述の菊地氏を代表取締役として会社を設立し、管内15戸の酪農家を構成員として操業を開始した。

(2)TMRセンターの利用拡大と酪農経営の規模拡大
 2006年6月から牧草410.15ヘクタール、トウモロコシ191.92ヘクタール分が、当該センターでTMRとして調製され、同年の8月から供給が開始された。2010年には、さらに10戸の酪農家が参加し、25戸が受益者になる。なお、2018年10月時点では、24戸である。
 当該センターの利用により飼養管理作業が省力化されたことで、前述の菊地氏の酪農経営(有限会社菊地農場)では、2009年に経産牛の飼養規模を100頭から300頭に拡大している。また、2010年には、上田範幸氏(当該センターの現代表取締役)の酪農経営(株式会社ウエダファーム)も経産牛の飼養規模を70頭から300頭に拡大している。
 経営規模の拡大により、所得増加が見込めることで、若者が地域酪農に定着する効果もみられた。菊地農場ではおいが農場長を務めるようになり、長男と次男がUターンで就農した。また、上田ファームでも、息子たちが就農している。さらに、後述のように第三者継承も現れている。
 


(3)TMRセンターの運営(出資と飼料作)
 図の通り、多くのステークホルダーが、当該センターに関与していることが分かる。酪農家が構成員(出資者)でもあるため、1戸当たり14株を出資している。JAゆうべつ町も110株の出資を行っている。
 原則として、受益者は経産牛1頭当たり40アールのほ場を準備する必要がある。通常、牧草だけでは経産牛1頭当たり1ヘクタールのほ場が必要であるが、当地ではトウモロコシができるので、40アールで経産牛1頭を飼養できることになる。また、経産牛を増頭している場合や新規参入の場合は、40アールを下回っても良いことになっている。
 トウモロコシの播種、牧草やトウモロコシの収穫・運搬は、コントラクターである農作業受委託連絡協議会が行っている。その代金は、当該センターが支払うことになる。コントラクターのオペレーター、当初、受益者やJAゆうべつ町の職員だけであったが、地域の土木業者に委託して、オペレーターやダンプを提供してもらっている。コントラクターと地域の土木業者が連携しているのである。なお、牧草やトウモロコシの作付計画は、当該センターが担当している。
 化成肥料や農薬の散布は、受益者が出役することになる。出役した場合の労賃は、当該センターが出役者に支払うことになる。また、トウモロコシの種子代・肥料代・農薬代を当該センターが補?している。さらに、ほ場を準備した受益者に対し、青田買い(注)として、当該センターが代金を支払っている。青田買いの代金は、新規のほ場に対して、傾斜・広さ・肥ひ 沃よく・水はけなどから、普及センターが評価を行い決定している。このように、客観的な第三者の評価を導入しているところが優れている。
 平成29年の飼料作の実績は、牧草720.71ヘクタール、トウモロコシ465.17ヘクタール、その他77.10ヘクタールで、合計1262.98ヘクタールにも上る。芭露支所管内の酪農家戸数は、表1のように、2017年度に44戸であった。そのうち、24戸が当該センターの受益者である。
 さて、芭露支所管内の飼料作面積は約1600ヘクタールとのことであった。それ故、当該センターを利用しない酪農家(20戸)の作付面積は、約400ヘクタールということになる。表1の2017年度の芭露支所管内の経産牛飼養頭数が3525頭なので、経産牛1頭当たりの飼料作面積は、約45アールということになる。

注: 当該センターは、農地所有適格法人(発足当時は、農業生産法人)の資格を持っていないので、飼料作のための農地を借り入れることができない。そこで、立毛の状態を買い入れるというやり方をとっている。それが、「青田買い」と呼ばれる仕組みである。
 

 

 

 

 

(4)TMRの製造
 図の通り、牧草・トウモロコシは、コントラクターから当該センターへ供給されることになる。配合・単味飼料やサプリメントは、当該センターが、JAゆうべつ町を通じて、複数の飼料会社から購入することになる。
 飼料設計に関しては、芭露支所管内に立地する「株式会社ゆうべつ牛群管理サービス」のコンサルテーションを受けている。さらには、米国のCVAS(Cumberland ValleyAnalysis Services)ラボへ飼料分析を依頼している。このような努力によって、良質なTMRを安定的に受益者へ供給することが可能になるのである。供給するTMRの種類は、表2の通り4種類である。

 

 2018年1月における1日当たり製造量は、約130.8トン(搾乳牛用103.2トン、育成牛用14.1トン、乾乳牛用13.5トン)であるので、経産牛への日供給量は116.7トンになる。同じ時期の受益者の経産牛飼養頭数が1894頭であるので、1日1頭当たり平均で61.6キログラム給与していることになる。
 なお、2017年の総出荷乳量は1万9581.8トンであるので、経産牛1頭当たり出荷乳量は1万338キログラムになり、高泌乳を実現していることが分かる。
 なお、従業員は、製造部門で男性6名、事務部門で男性1名、女性2名である。地域に貴重な雇用機会を提供していることになる。

 

 

 

 

(5)農作業受委託連絡協議会(コントラクター)
 芭露農協時代に話は戻るが、1991年のガット・ウルグアイラウンド農業合意を契機に、毎年度、生乳換算で約13万7000トンの指定乳製品などが輸入されることとなり、また法律で定められた関税などを支払うことにより誰でも指定乳製品などを輸入できることとなった。このような国際化の進展に対処する観点からも、農協管内の酪農家は、所得を確保するために、経産牛飼養頭数を拡大した。その結果、1人当たり年間労働時間が3000時間以上になっていた。そこで、旧芭露農協では、1995年に酪農家84戸に対して、農作業受委託事業に対する意向調査を実施した。「農作業受委託事業が早急に必要である」と回答した酪農家28戸(33.3%)、「2〜3年以内に希望する」と回答した酪農家20戸(23.8%)、「様子を見ながら早い機会に」と回答した酪農家が12戸(14.3%)、「従来通り共同または個人でやりたい」と回答した酪農家が24戸(28.6%)であった。なお、「従来通り共同または個人でやりたい」と回答した24戸のうち、「近年中に縮小または廃業する」と回答した酪農家が11戸含まれていた。
 旧芭露農協は、1996年度に、「芭露地区作業受委託連絡協議会」(以下「連絡協議会」という)を設立した。事務所は農協内に置かれた。なお、農協の管内が、@芭露地区、A計呂地・志撫子地区、B上・西・東芭露地区の大きく三つに分かれるが、@とAの農作業受委託作業班が1996年度に設立され、Bの農作業受委託作業班が1997年に設立された。
 そして、連絡協議会に加入したのは、84戸の酪農家のうち44戸であった。2002年2月1日の農協合併に伴い、44戸全員が、現在の連絡協議会に参加している。
 JAゆうべつ町の本所管内にもコントラクターがあるが、オペレーターは全員、本所の職員である。それに対して、芭露支所管内のコントラクターは、利用組合方式になっている。本所からオペレーターが応援に来るが、主力となるのは地域の土木業者や酪農家である。なお、機械はJAゆうべつ町の所有であり、会計もJAゆうべつ町が担当している。
 

 

 

4 受益者からみたTMRセンターの役割

 当該センターの役割を明らかにするために、タイプの異なる3経営からヒアリング調査を実施した。3経営の概要は、表3の通りである。
 

 A経営では、家族労働力7人、雇用労働力9人で、経産牛510頭を飼養する大規模酪農経営である。2015年に経産牛を300頭から510頭まで増頭し、年間5000トンの生乳生産量を目標としている。B経営では、家族労働力3人で、経産牛82頭を飼養する中規模酪農経営である。現在、経産牛1頭当たりの生乳生産量が2017年度に1万673キログラムと高泌乳であったが、それを維持しつつ、増頭によって年間1000トンの生乳生産量を目標としている。C経営は、家族労働力2人で、経産牛37頭を飼養する小規模酪農経営である。2018年4月からの、第三者継承による新規参入である。
 当該センターに対する3経営の評価を一覧にしたものが、表4である。
 

 当該センターを利用するメリットして、A経営は、バンカーサイロやミキサーなどへの投資が不要であることを挙げていた。B経営では、生乳生産量が増え、農業所得が増加したことを挙げていた。また、飼料作は自然相手であるが、1200ヘクタールを超えるほ場で飼料が栽培されているので、毎年、安定した収量を見込むことができ、精神的に楽になったことを挙げていた。C経営は、新規参入に当たって、TMRセンターが存在している地域を選択したいと考えていたとのことであった。
 当該センターを利用した効果として、A経営は、飼養頭数の増加による経営規模の拡大につながったことを挙げていた。B経営では、乳牛の観察に時間をかけることができ、乳牛の調子が悪い原因が、ウォーターカップにあることを看破でき、その改善により生乳生産を増やすことができたことを挙げていた。なお、C経営は2018年4月からの新規参入当初から当該センターを利用しているので、この質問項目への回答はない。
 また、当該センターの課題として、A経営は、TMRの販売単価が一律で、大規模経営にとって、規模のメリットが働かないことを挙げていた。B経営は、図のオペレーターとしての出役頻度に関して、酪農家間で差があり、不平等に感じることを挙げていた。逆に、C経営は、労働力が少なく、オペレーターとして出役することが難しいことを挙げていた。
 以上のように、当該センターの存在が、規模拡大、生産量の増加、新規参入に貢献していたことが分かる。しかし、受益者である構成員の規模が多様化していることで、販売単価や出役に関して課題があることも明らかになった。
 

 

 

5 おわりに

 当該事例は、農協合併を契機に、地域の酪農家が集い、酪農業の活性化のため、TMRセンターを創設したものである。まさしくボトムアップによる創設といえる。そして、図のように、既存の組織と連携をとっているところに大きな特徴がある。その連携は、お互いに役割分担をして、全体として極めて合理的な体制を構築しているのである。その結果、受益者であり、構成員である酪農家は、高泌乳を得られるTMRの提供を受けることができている。受益者に対するヒアリング調査によれば、規模拡大、生乳生産量の増加、新規参入につながっているのである。以下、当該センターの優れた点や教訓を5点にまとめる。
 第1に、受益者である酪農家が、当該センターに出資をして構成員になることで、自己の経営だけではなく、当該センターの経営にも関心を持つという仕組みになっていることがある。すなわち、自己統治のインセンティブが働く仕組みになっている。
 第2に、飼料作面積と経産牛のバランスのために、経産牛1頭当たり40アールのほ場確保という仕組みを導入していることがある。
 第3に、農協の出資を仰ぐことで、JAの有する会計処理など、優れた事務サービスを受けることができることがある。JAの子会社という位置付けではなく、JAをパートナーとする関係を構築している。
 第4に、コントラクターとの連携において、酪農家の飼料作の労働を軽減するために、地域内の土木業者にオペレーターを委託したり、ダンプを提供してもらったりしていることがある。
 第5に、株式会社ゆうべつ牛群管理サービスのコンサルテーションを受けたり、TMRの飼料分析をCVASに依頼したりすることで、高品質なTMRの生産を担保していることがある。
 なお、受益者である構成員の規模が多様化していることで、オペレーターとしての出役やTMRの販売単価に関して課題が存在していた。それに対して、例えば、オペレーターとして出役がない場合、新たな賦課金をTMRの単価に上乗せして、当該センターへ支払うという仕組みの導入が考えられる。また、TMRの購入において、規模の経済が働かないことに関しては、大口奨励金という仕組みの導入が考えられる。
 いずれにしても、今後ますますの受益者間の話し合いと、JAゆうべつ町の調整機能が大切になると思われる。
 当該センターを基軸としたさらなる酪農経営の発展、それを通じた地域の活性化を期待したい。

【謝辞】
 本稿を作成するに当たり、有限会社アグリサポートばろう代表取締役上田範幸様、同総務部長長屋富美雄様、芭露地区農作業受委託連絡協議会会長小野信一様、管内酪農経営の方々、そして湧別町農業協同組合から多大なご協力を賜りました。また、TMRセンターの役割について初めてご指導頂いた菊地厚様とも再会できました。ここに深甚なる謝意を表します。

【参考文献】
1)「 第7次北海道酪農・肉用牛生産近代化計画」(平成28年3月策定)は、下記のHPを参照した(2019年3月4日時点)。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/tss/02/rakunikukin/rakunikukinn.pdf
2)JAゆうべつ町「作業受委託事業の計画概要」
3)「(有)アグリサポートばろう」の年次報告書
4)菊澤研宗『組織の経済学入門 制度派経済学アプローチ』有斐閣、2016年3月、東京