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海外の需給動向【牛肉/豪州】 畜産の情報2019年6月号

2019年第1四半期の牛肉輸出量、米国向けおよび中国向けが大幅増

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雌牛と畜頭数、干ばつにより15カ月連続で前年同月を上回る
 豪州統計局(ABS)によると、2019年2月の成牛と畜頭数は、主要肉用牛生産地域であるクイーンズランド(QLD)州およびニューサウスウェールズ(NSW)州で干ばつが継続しており、雌牛の淘汰が増加していることから、69万2300頭(前年同月比13.6%増)と11カ月連続で前年同月を上回った(図5)。 と畜頭数の内訳を見ると、雄牛は31万6700頭(1.3%減)と前年同月を下回った一方、雌牛は37万5600頭(同30.2%増)と大幅に増加しており、15カ月連続で前年同月を上回った。これにより、と畜頭数全体に占める雌牛の割合は54%と、2003年以来16年ぶりに54%台を記録した。天候が好転しないことから雌牛の淘汰は落ち着く様子をみせず、今後の牛飼養頭数の減少が懸念されている。
 

 同月の牛肉生産量は、雄牛に比べて重量の軽い雌牛の増加による1頭当たり枝肉重量の低下により、19万7600トン(同8.5%増)と、と畜頭数の増加率ほどは増加していないものの、11カ月連続で前年同月を上回った。

2019年第1四半期の牛肉輸出量、中国向けが米国向けに迫る勢い
 豪州農業・水資源省(DAWR)によると、2019年3月の牛肉輸出量は、牛肉生産量の増加に伴い10万2429トン(前年同月比12.6%増)とかなり増加した(表4)。
 

 2019年第1四半期(1〜3月)の累計では、26万4919トン(前年同期比11.5%増)とかなり増加した。
 主要輸出先別に見ると、最大の輸出先である日本向けは、6万5736トン(同1.5%減)とわずかに減少した。
 米国向けは、米国における牛肉生産量の増加に伴い2016年以降減少傾向にあったが、豪州の牛肉生産量の増加に加え、米国で赤身率の高い加工向け牛肉を中心に引き合いが強まったことから、5万7952トン(同16.3%増)と大幅に増加した。
 また、米国では、加工向け牛肉への需要が強いことから、加工向け牛肉輸入価格(CIF価格)は、2018年11月以降上昇傾向で推移しており、2015年以来の高値となっている(図6)。
 
 
 中国向けは、5万1831トン(同67.0%増)と大幅に増加し、これまで3番目の輸出先国であった韓国向けを上回った。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、中国において、所得の増加に伴い高級部位への需要が増加しており、2019年第1四半期における中国向けの冷蔵牛肉の輸出量は4516トンと、全体に占める割合は少ないものの、前年同期の約3倍に増加している。また、低価格部位や加工向け牛肉に関して、アフリカ豚コレラの影響により、豚肉の代替需要が高まる可能性があるとしている。
(調査情報部 大塚 健太郎)