畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 元年6月の家計消費(食肉)

国内の需給動向【家計消費】 畜産の情報 2019年9月号

元年6月の家計消費(食肉)

印刷ページ

1.肉類(生鮮肉)

 令和元年8月6日に総務省が公表した「家計調査報告」によると、元年6月の全国1人当たりの家計消費のうち、肉類(生鮮肉)の購入金額は1919円(前年同月比2.2%減)と前年同月をわずかに下回り、購入数量は1393グラム(同2.9%増)と前年同月をわずかに上回った。購入金額に占める割合は、豚肉が42.2%(811円)、牛肉が28.5%(547円)、鶏肉が22.2%(427円)となり、購入数量に占める割合は、豚肉が42.7%(595グラム)、鶏肉が34.7%(484グラム)、牛肉が12.7%(177グラム)となった(図15)。また、金額および数量いずれも豚肉の割合が高く、牛肉は購入数量は主要食肉の中で少なかったが、その単価の高さから購入金額では豚肉に次ぐ金額となった。一方、鶏肉は購入数量では豚肉に次ぐ数量となったが、その単価の安さから、購入金額では主要食肉の中で最も低かった。
 

2.牛肉

 牛肉の家計消費は、購入金額が547円(前年同月比4.0%減)と前年同月をやや下回り、購入数量は177グラムと前年同月同で推移した。購入数量は、前年同月比で下回っている月はあるものの、過去5カ年平均との比較では、平成30年6月以降13カ月連続で上回る状況が続いており、好調なテーブルミート需要が伺える。一方、購入単価については、30年7月以降、同年9月と31年4月を除くすべての月で過去5カ年平均を下回って推移している(図16)。
 

 この購入単価の下落傾向については、機構が定期的に実施する食肉販売動向調査の食肉販売見通しにおいて、量販店での輸入牛肉の取り扱いの増加意向が強い傾向が続いており、消費者の低価格志向を反映しているものと考えられる(図17)。
 

 

3.豚肉

 豚肉の家計消費は、購入金額は811円(前年同月比3.5%減)とやや、購入数量は595グラム(同1.3%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。購入数量は、過去5カ年平均との比較では、近年上回り続けているものの、前年同月との比較では、3カ月連続で下回る状況となっている。購入単価については、平成30年11月以降8カ月連続で過去5カ年平均を下回って推移している(図18)。
 
 
 この購入単価の下落傾向については、機構が定期的に実施する食肉販売動向調査の食肉販売見通しにおいて、量販店での輸入豚肉の取り扱いの増加意向が強い傾向が続いていること、国産豚肉の小売価格が下落基調にあることも影響していると考えられる(図19、20)。
 

 
 

4.鶏肉

 鶏肉の家計消費は、購入金額は427円(前年同月比3.0%増)、購入数量は484グラム(同5.2%増)といずれも前年同月をやや上回った。過去5カ年平均と比較すると、購入数量は近年上回り続けており、購入単価は平成30年6月以降、同年9月を除く全ての月で過去5カ年平均を下回って推移している(図21)。
 
 
 この購入単価の下落傾向については、量販店の鶏肉取扱割合が国産が9割以上を占めていることから、好調な国内生産に伴い、国産鶏肉相場が安値で推移したことも影響しているとみられる(農畜産業振興機構調べ、「食肉販売動向調査(2019年度上半期)」)。
 
(畜産振興部 岩井 椿)