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国内の需給動向【牛乳・乳製品】 畜産の情報 2019年9月号

元年6月の生乳生産量、前年同月に比べわずかに減少

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 令和元年6月の生乳生産量は、61万8866トン(前年同月比0.3%減)となった。地域別に見ると、北海道は34万5473トン(同1.5%増)と前年をわずかに上回る一方、都府県は27万3393トン(同2.4%減)と、3カ月連続して全地域で前年同月を下回るなど、引き続き、減少傾向で推移している(図22)。
 

 用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けが34万9671トン(同0.5%減)と、梅雨寒の影響などから、昨年の増加傾向にあった水準に比べ3カ月連続で前年同月を下回った。一方、乳製品向けは、26万5480トンと前年同月と同水準となったが、脱脂粉乳・バター等向けは12万2020トン(同2.2%増)と増加した。

令和元年度の生乳生産量、引き続き増加の見通し
 一般社団法人Jミルクは令和元年7月31日、「2019年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題について」を公表した。これによると、令和元年度の生乳生産量は前年度並みの732万3085トン(前年度比0.6%増)、このうち北海道が405万5899トン(同2.2%増)、都府県が326万7185トン(同1.4%減)と見込んでいる(表1)。前回5月の見通しから、1万7204トン減、うち北海道は5921トン減、都府県が1万1283トン減となっている。これは特に都府県において、昨年の猛暑の影響により分娩時期がずれ込み、第1四半期の都府県における生乳生産が伸び悩んでいることなどを理由に挙げている。
 
 
ナチュラルチーズ消費量、家庭・外食需要の増加で堅調な伸び
 農林水産省が7月16日に公表した「平成30年度チーズの需給表」によると、30年度のナチュラルチーズ消費量は21万367トン(前年度比3.7%増)と前年度を上回り過去最高を更新した(図23・表2)。消費量の増加が続く背景として、いわゆる「家飲み」などの家庭需要や外食需要の増加などが挙げられる。
 


 
 
 生産状況を見ると、30年度においても、国内の生乳生産量が減少傾向にある中で、チーズ向け数量も減少したことから、国産ナチュラルチーズの生産量は4万5384トン(同0.3%減)となった。一方、需要の伸びが反映して、輸入ナチュラルチーズ総量は27万9756トン(同4.7%増)と3年連続で増加となった。このため、チーズ総消費量の国産割合(ナチュラルチーズベース)は前年度の14.2%から0.6ポイント減の13.6%(注)となった。
 ただし、国産ナチュラルチーズの減少は、プロセスチーズ原料用の減少によるものであり、直接消費用を中心とするプロセスチーズ原料用以外の国産ナチュラルチーズの生産量は、輸入数量と同程度の伸び率(同3%増)で増加している。
注:チーズ総消費量の国産割合は、ナチュラルチーズに換算したチーズ総消費量における国産ナチュラルチーズ生産量の割合から推定したもの(農林水産省「平成30年度チーズの需給表」から引用)。
 
(酪農乳業部 廣田 李花子)