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海外の需給動向【牛乳・乳製品/NZ】 畜産の情報 2019年9月号

2018/19年度の乳製品輸出量、全粉乳は前年度比10.7%増

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6月の生乳生産量、前年同月比14.1%増
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2019/20年度(6月〜翌5月)最初となる2019年6月の生乳生産量は、22万6000トン(前年同月比14.1%増)とかなり大きく増加した(図17)。2003/04年度以降の統計をみても6月の生産量が20万トンを超えたことはない。2018/19年度の生乳生産量は、夏場の乾燥気候により牧草の生育状況が悪化し3〜4月には1年ぶりに前年同月比でマイナスに転じた後、5月には前年同月並みに回復していた。ただし、例年6月は生乳生産量が最も少なく年間生産量の1%以下であることから、2019/20年度生乳生産量への影響は大きくない。
 

6月のバター類輸出量、4カ月連続で前年同月を下回る
 ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2019年6月の乳製品主要4品目の輸出量は、以下の通りとなった(表10、図18)。
 


 

 全粉乳については、前年同月比9.3%増の9万2000トンと2018年12月以降7カ月連続で前年同月を上回った。最大の輸出先である中国向けが同20.5%増と引き続き大幅に増加しており、全体の輸出増につながっている。
 脱脂粉乳は、同8.3%増の2万5000トンとかなりの程度増加した。2018/19年度(7月〜翌6月)は、国際需給の回復に伴い2019年4月以降前年同月を上回って推移しているが、年度前半の輸出が低調だったため、年度全体での輸出量は前年度比5.2%減となっている。
 一方、バター類は、同18.8%減の3万5000トンと大幅に減少した。特に中国向けが減少しており、3月以降4カ月連続で前年同月を下回った。

2018/19年度の全粉乳輸出量、中国を中心に増加
 2018/19年度(7月〜翌6月)の乳製品主要4品目の輸出量は、以下の通りとなった(表10、図19)。
 

 全粉乳については、前年度比10.7%増の151万2000トンとかなりの程度増加し、2年連続で前年度を上回った。このうち中国向けについては、59万7000トン(同34.2%増)と大幅に増加し、全体の39.5%を占める。 一方、脱脂粉乳は、同5.2%減の37万4000トンと3年連続で前年度を下回った。

乳製品国際価格、主要4品目とも上昇
 2019年7月16日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表11、図20)。前回開催(7月2日)時と比較すると、主要4品目とも前回の価格を上回った。
 


 

 全粉乳については、4月以降下落傾向で推移していたが、東南アジアや中東からの需要増加を反映して上昇に転じ、前回比3.5%高の1トン当たり3074米ドル(33万8000円)となった。
 脱脂粉乳は、前回に続き上昇し、同3.1%高の2505米ドル(27万6000円)となった。 2019年1月以降の価格は、おおむね2400〜2500米ドルで推移しており、今回も前年比27.9%高と前年を大幅に上回っている。
 また、バターは、4月をピークに前回までに2割程度の大幅な下落となったが、今回は前回比1.5%高の4406米ドル(48万5000 円)となった。
(調査情報部 井田 俊二)