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海外の需給動向【牛肉/豪州】 畜産の情報 2019年10月号

雌牛と畜割合・フィードロット飼養頭数、干ばつにより過去最高水準を記録

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成牛と畜頭数はやや増加、雌牛と畜割合が過去最高水準
 豪州統計局(ABS)によると、2019年6月の成牛と畜頭数は、主要肉用牛生産地域であるクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州およびビクトリア州など東部を中心として2018年1月より続いている干ばつの影響により、雌牛の淘汰が増加していることから、70万8900頭(前年同月比3.5%増)とやや増加した(図1)。しかし、1頭当たり枝肉重量は、雄牛と比べて重量の軽い雌牛の増加に伴い、279.3キログラム(同2.6%減)と減少したことから、同月の牛肉生産量(枝肉ベース)は、19万7996トン(同0.8%増)とわずかな増加にとどまった。
 


 と畜頭数の内訳を見ると、雄牛は29万6000頭(同6.7%減)とかなりの程度減少した一方、雌牛は41万2900頭(同12.2%増)とかなり大きく増加しており、と畜頭数全体に占める雌牛の割合は58.2%と、歴史的な高水準が続いている。
 この結果、2018/19年度(7月〜翌6月)の成牛と畜頭数は、817万500頭(前年度比9.2%増)とかなりの程度増加した。一方、同年度は11月を除いて雌牛と畜割合が50%を超えており、雌牛と畜頭数が同23.4%増と大幅に増加したことから、1頭当たり枝肉重量が同4.0%減とやや減少したため、牛肉生産量は、232万7853トン(同4.9%増)とやや増加する程度にとどまった。
 
フィードロット飼養頭数、過去最高を更新し、18カ月連続で100万頭を上回る
 豪州フィードロット協会(ALFA)および豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は8月12日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2019年4〜6月期)を公表した。これによると、2019年6月末のフィードロット飼養頭数は、114万7393頭(前年比2.4%増、前回比0.2%増)と、前回調査時(2019年3月末)に続き、またも過去最高を記録し、18カ月連続で100万頭を上回った。今回の調査結果について、ALFAは、フィードロットが天候に左右されず、世界中へ高品質な牛肉を供給できることを強調するコメントを出している。
 2019年4〜6月の穀物肥育牛と畜頭数は、79万頭(前年同期比10.4%増)とかなりの程度増加した。一方、同期間における穀物肥育牛がと畜頭数全体に占める割合は、穀物肥育牛と畜頭数の増加以上に、干ばつの影響をより受けた牧草肥育牛のと畜頭数が増加したことから、37.4%と過去3年間の平均割合(38.1%)よりわずかに低かった(図2)。
 

 また、MLAによると、2019年4〜6月の穀物肥育牛肉輸出量は、7万9632トン(同6.3%増)とかなりの程度増加した。輸出先国別に見ると、中国向け(1万2653トン、同40.3%増)は大幅に、韓国向け(1万2545トン、同9.4%増)はかなりの程度増加している。一方、日本向け(3万6201トン、同7.1%減)は、かなりの程度減少した。
 
干ばつにより、2019年牛と畜頭数はわずかに増加、肉用牛飼養頭はかなり減少の見込み
 MLAは8月、「Industry projections2019 August update」において、四半期に一度の牛肉生産量などの見通しを公表した(表3)。2019年の見通しは次の通り。
 

 と畜頭数は、主要肉用牛生産地域で干ばつの影響により、雌牛を中心に淘汰が増加して いることから、前回予測(2019年4月)から40万頭上方修正し、810万頭(前年比2.9%増)とわずかに増加すると見込んでいる。
 干ばつによる深刻な水不足により、繁殖牛群のと畜頭数が増加した結果、2019年6月末の肉用牛飼養頭数は、2600万頭(同7.3%減)とかなりの程度減少すると見込んでいる。
 牛肉生産量は、と畜頭数がわずかに増加するものの、1頭当たり枝肉重量が雌牛のと畜頭数の増加により2825キログラム(同2.9%減)とわずかに減少することから、全体では229万1000トン(同0.1%増)とわずかに増加すると見込んでいる。
 牛肉輸出量は、2019年上半期(1〜6月)において、前年同期比6%増で推移していること、穀物肥育牛の出荷量が記録的な高水準であることから、主要輸出先向けの牛肉輸出は堅調に推移しているものの、下半期(7〜12月)においては、干ばつの影響による供給量の制限が予測されることから、113万トン(前年比0.4%増)と、わずかに増加すると見込んでいる。
 なお、2019年上半期(1〜6月)の中国向け輸出量は、前年同期比59%増と大幅に増加している。米国向けは、加工用冷凍赤身牛肉の需要が高いことと、牧草肥育牛の出荷も堅調であることから、同8%増とかなりの程度増加した。韓国向けも、牧草肥育牛肉の輸出が好調なため、同8%増とかなりの程度増加した。一方、日本向けは、同9%減とかなりの程度減少しているが、これは2017年8月から2018年3月まで米国産などの冷凍牛肉に対して関税の緊急措置が発動され、前年同期において、豪州産牛肉の輸出量が多かったためであり、2017年上半期の輸出量および過去5年間の上半期平均輸出量と同程度であった。
 
(調査情報部 菅原 由貴)



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