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海外の需給動向【牛肉/アルゼンチン】 畜産の情報 2019年10月号

生産量はわずかに減少も輸出は大幅増加

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1〜7月の生産量はわずかに減少
 アルゼンチン工業生産・労働省によると、2019年1〜7月の牛と畜頭数は、前年同期比0.7%減の771万3952頭となった(図3)。また、牛肉生産量は同1.9%減の173万3000トン(枝肉重量ベース)となった(図4)。2018年は、2015年の政権交代によって農畜産物の輸出規制が大幅に緩和されるなど、輸出需要が高まることを期待した生産者が飼養頭数を拡大させたことで、と畜に回る生体牛が増加したことに加え、年初に発生した干ばつの影響で、経産牛の淘汰が進んだことから、前年を大きく上回ったが、2019年上半期は去勢牛のと畜頭数が減少したことなどにより、と畜頭数および生産量共に前年を下回る結果となった。
 




 

輸出量は大幅増加
 また、アルゼンチン国家統計院によると、2019年1〜7月の牛肉輸出量は、前年同期比44.4%増の26万5206トン(製品重量ベース)と大幅に増加した(表4)。アルゼンチンでは、前述の通り2015年12月の政権交代以降、輸出環境が改善したことから、業界の輸出意欲は高いと考えられている。
 国別にみると、中国は、旺盛な需要に加え、米国や豪州と比較して輸出価格が安いことから、南米からの輸入を増やしている。ロシアは、2017年12月から、それまで最大の輸入相手国だったブラジルからの輸入を、ロシア側が禁止している成長促進剤が検出されたことを受け停止していた。2018年11月に輸出停止は解除され、停止以前の水準にはまだ戻っていないものの、ブラジルからの輸入が再開されたことから、アルゼンチンのロシア向け牛肉輸出量は大きく減少した。
 

 

大幅な輸出増を背景に、去勢牛の出荷価格は高値で推移
 生産量が減少している中、輸出が大幅に増加していることから、同国内の去勢牛の出荷価格は高値で推移している。肉牛相対取引の指標となっているリニエルス家畜市場における同出荷価格は、2019年1月以降、高止まりが続いており、2019年7月の価格は、前年同月比55.1%高の1キログラム当たり60.67ペソとなった(図5)。このような状況の中、アルゼンチン国内では、国内の牛肉不足を補うため輸入が増加しており、同年1〜7月までの輸入量は、7920トンと前年同期を1割程度上回った。
 

 

今後の政治動向に注目
 こうした中、8月11日にアルゼンチン大統領の予備選挙が実施された結果、大衆迎合型の政策をとる野党候補のアルベルト・フェルナンデス元首相が、積極的な輸出振興政策に取り組む現与党のマウリシオ・マクリ大統領を抑え首位となった。10月27日に本選挙が行われる見込みであるが、政権交代が現実となれば、輸出振興政策に変化が生じる可能性もあり、今後の動向が注目される。
 
(調査情報部 柴ア 由佳)



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