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海外の需給動向【鶏肉/米国】 畜産の情報 2019年10月号

輸出量、生産量ともに堅調

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2019年上半期のブロイラー輸出量、前年同期比1.0%増
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によれば、2019年6月の米国のブロイラー輸出量は、前年同月比2.3%減の25万2915トンとわずかに減少した(表8)。
 

 米国のブロイラー輸出は、主要相手国10カ国で約6割を占めているが、その中でも約2割を占める輸出先首位のメキシコ向けは同0.3%増の5万2490トンとなった。このほか、輸出量が増加した国はアンゴラ、香港、ジョージア、ベトナム、グアテマラであり、中でもジョージア向けは3倍弱の伸び率と大幅に増加している。
 一方、輸出量が減少したのは、キューバ、 カナダ、台湾、南アフリカ共和国向けで、台湾向けは同19.8%減と大幅に減少した。
 2019年上半期のブロイラー輸出量について見ると、前年同期比1.0%増の156万2879トンと、近年の増加傾向が継続する結果となった。アジアを中心に発生しているアフリカ豚コレラの影響もあり、世界的に鶏肉への需要が高まっていることから、米国産ブロイラーも同様の傾向にあったものと考えられる。
 主要相手国では、首位のメキシコ向けが同7.7%増の32万8470トンとかなりの程度増加した他、キューバ、ジョージア、ベトナム、南アフリカ共和国向けで増加した一方、アンゴラ、カナダ、台湾、香港、グアテマラ向けで減少となった。
 なお、USDA/ERSによると、2019年の輸出量見込みは対前年比0.7%増の323万トン、2020年は同1.8%増の329万トンと予測されていることから、近年の輸出増加傾向は継続するものと思われる。

2019年上半期のブロイラー生産量、前年同期比1.2%増
 USDA/ERSによれば、2019年6月のブロイラー生産量は、前年同月を0.7%上回る159万6000トン(可食処理ベース)と堅調に推移した(図10)。同生産量は今年に入り、3月を除いて前年同月を上回っている。USDA/ERSによると、6月は、と畜場稼働日数を加味すると実質的に同5.5%増であったとしており、好調の要因として、直近3カ月間の1羽当たり出荷時生体重量が増加したことを挙げている。
 

 この結果、2019年上半期のブロイラー生産量は前年同期を1.2%上回る967万トンとなった。なお、2019年通期では同1.7%増の1964万6000トン、2020年も同1.1%増の1986万7000トンと予測されていることから、当面の間、増産が継続すると見込まれている。
 
(調査情報部 藤原 琢也)