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海外の需給動向【牛乳・乳製品/NZ】 畜産の情報  2020年3月号

1月の乳製品国際価格、粉乳は2019年12月の下落後、再び上昇

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12月の生乳生産量、前年同月比0.5%減
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2019/20年度(6月〜翌5月)12月の生乳生産量は、272万2000トン(前年同月比0.5%減)と前年同月をわずかに下回った(図20)。これは、12月上旬の牧草の生育状況が不良であったことが一因とみられている。6〜12月の生乳生産量は、前年同期比0.4%減の1349万6000トンと前年同期を下回った。なお、17/18年度同期比では、4.0%増となっている。
 
 

12月の粉乳輸出量、前年同月を下回る
 ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2019年12月の乳製品主要4品目の輸出量は、バター類が前年同月を上回る一方、脱脂粉乳、全粉乳およびチーズが下回った(表16、図21)。
 
 
 
 バター類については、2019年9月まで7カ月連続で前年同月割れが続いていたが、12月は前年同月比19.1%増の5万1044トンと3カ月連続で前年同月を上回った。国別では、中国、サウジアラビア向けなどが前年同月を大幅に上回った。2019/20年度7~12月で見ると、前年同期比2.1%減の20万9440トンと急速に減少率が小さくなっている。
 一方、脱脂粉乳については、前年同月比8.2%減の4万8036トンと3カ月連続で前年同月を下回った。これは、中国、日本向けなどで減少したためである。
 全粉乳は、前年同月比2.9%減の21万2538トンと4カ月ぶりに前年同月を下回った。これは、2018年12月の中国向け輸出数量が大きかったこともあり、前年同月を大幅に下回ったためである。
 また、チーズは、前年同月比3.1%減の3万3957トンと2019年7月以来5カ月ぶりに前年同月を下回った。これは、韓国向けが大幅に増加したものの、2018年12月の輸入量が大きかった中国向けが大幅に減少したためである。

乳製品国際価格、チーズは2019年5月以来4000米ドル台を回復
 2020年1月21日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表17、図22)。前回開催(1月7日)時と比較すると、主要4品目はいずれも前回の価格を上回った。
 

 
 

 全粉乳については、前回比2.6%高の1トン当たり3233米ドル(35万6000円)とわずかに上昇した。2019年7月以降おおむね上昇傾向で推移し、2019年12月第1回目には同3331米ドル(36万6000円)と2016年12月以来の高値となった。2019年12月第2回目にはかなりの程度下落したものの、その後再び上昇に転じ、前年同期比では16.4%高となった。
 脱脂粉乳は、前回比0.3%高の同3036米ドル(33万4000円)とわずかに上昇した。2019年7月以降おおむね上昇傾向で推移し、2019年12月第1回目には同3068米ドル(33万4000円)と2014年8月以来の高値となった。2019年12月第2回目にはかなりの程度下落したものの、その後再び上昇に転じ、前年同期比では26.2%高となった。
 バターは、前回比5.5%高の同4250米ドル(46万8000円)とやや上昇した。2019年12月に同4000米ドル台割れとなったが、その後上昇に転じ再び4000米ドル台を回復した。
 チーズは、前回比0.8%高の同4048米ドル(44万5000円)と5回連続で上昇し、2020年第1回目には2019年5月以来の同4000米ドル台となった。
 
(調査情報部 井田 俊二)